を読んだ。マイクル・クライトン著/酒井昭伸訳
あれから6年。なんとか助け出されていたイアン・マルカム博士はコスタリカで奇妙な生物の死体が見つかっているというニュースを聞いたが、リチャード・レヴィンという古生物学者がコスタリカに古代生物が生き残っていると言うのを取り合わなかった。
しかししつこく食い下がるリチャードに次第にイアンも影響を受け、問題の島が判明次第探索に向かうことになる。
一方インジェン社の遺産を横取りしようと画策するバイオシン社のルイス・ドジスンは、彼らの動向を探っていた・・・。
「あの」映画の原作ということになっているが、実は同時進行でそれぞれが勝手に制作を進めたので、一部を除いて全然異なる内容になっている。
おかげでこちらは「あの」映画の100億倍面白い(笑)
こちらでは主要登場人物であるリチャード・レヴィンは映画には登場していないのはさておき、最大の違いはサラ・ハーディングのキャラクターだと思う。
「あの」映画をゴミクズにした中心キャラクターは間違いなくサラ・ハーディングだが、こっちのサラは映画とはまさに真逆なキャラクターで、言うことはまとも。人の迷惑になることはしない。人に助けられるどころか助ける側。むしろ彼女が主人公で冒険シリーズ物を展開できそうなヒーローキャラクターなのだ。
トレーラーの宙吊りシーンは(シチュエーションは違うが)こちらにもあるのだが、男2人を助け出すのは彼女の方である。しかも男2人共に「すごい力だ」と評されている(笑)
その後もひたすら頼りになる姉御っぷりで、化夢宇留仁は最初ジュリアン・ムーアの顔で読んでいたのだが、途中からサンドラ・ブロックに変わった(笑)
こっちのサラが映画にも出ていれば名作になったのに残念。
あと今回気づいたのがクライトンの作風のクレバーさで、とにかくキャラクターの説明がすっきりしていて、偏屈な科学者、少年少女、悪役、その他誰も彼もがどんなやつでなにを考えて行動しているのかを非常にわかりやすく説明するので、なんというか非常に見晴らしがよく、それから始まる冒険に自然に集中できるようになっている。
これは見方によっては深みが足らないということにもなるのかもしれないが、あくまで冒険が主体の物語としては素晴らしい技術だと思った。
で、結局本作は面白かったのかと言うと、とても面白く読めた。
ただし前作に比べるとはっきりとした山場が見当たらないのは少々残念なところで、それさえあれば前作に並んだのにとは思った。
でも非常に高いレベルの娯楽小説なのは間違いないと思う。
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