これは、女の園・大奥を舞台に、退魔師でもある薬売りの活躍を描く劇場版アニメ三部作の最終章。
シリーズ総監督を中村健治、監督は前作となる「第二章 火鼠」と同じく、鈴木清崇が務めている。
声の出演は、神谷浩史、種��敦美、入野自由、津田健次郎、榊原良子など主要キャストが続投。
薬売りにより、唐傘と火鼠と言う“モノノ怪”を退治し、ようやく平穏が訪れたように思われた大奥。
正室の御台所・幸子様が待望の男児を授かるが、不幸にも亡くなってしまう……それをきっかけに、大奥では恐るべき謀略が動き出すのだった。
その頃から大奥では不自然な地揺るぎ(地震)が頻発……更に奥女中が絞め殺される怪事件が発生。駆け付けた薬売りの前に“蛇神”が姿を現すのだが……
この和風テイストのファンタジー三部作も、本作が完結編となる。
顔見世だった第一作「唐傘」は、物語世界の紹介の意味もあって、じっくり見せる感じだったのだが、前作「火鼠」からはテンポアップ。それでいて、大奥における人間関係や、それが生み出す格差や差別、そして軋轢を描いて、そこに“怨”を生じさせる、と言うのが本シリーズの要なので、そこを把握しないと、物語について行けない。本作についても、前2作の復習は必須のように思う。
そんな本作は、これまでのように、そうした“怨”がものに憑りついて“モノノ怪”になる、と言うだけでなく、御台所様の赤子入れ替えから、天子様の出生にまつわる因縁、さらに大奥誕生の真相にまで迫る内容で、これを87分に押し込んだのだから、テンポが早い早い――凝りに凝って作り上げた世界を、華麗なビジュアルで見せる本作だけに、もっと、この世界に浸らせて欲しい、と思う部分もあり、せわしない感じを受けたと共に、勿体なくも思ってしまったのが正直な所。これだけのドラマと、最後にはスペクタクルまで見せるのであれば、この第三弾は二部構成にして欲しかったように思う。
ログインしてコメントを確認・投稿する