これは、ポップデュオ「ワム!」としてデビュー、ソロシンガーとしても成功を収めたジョージ・マイケルについてのドキュメンタリー。
40人以上の関係者へのインタビュー、アーカイブ資料や未公開映像も多数使用し、彼のデビューからその死までを辿るものとなる。
監督は、「ワム!」のマネジャーだったサイモン・ネイピア=ベル。
1981年、18歳のジョージ・マイケルは、友人アンドリュー・リッジリーとポップデュオ「ワム!」を結成する。
ホットパンツで元気に歌う踊る少年2人組は瞬く間に人気スターとなるが、人気絶頂となっても、ジョージ自身は満たされることなく、1986年、ジョージはソロシングル「ディファレント・コーナー」でセクシャリティの葛藤を歌い、その直後に、「ワム!」を解散。
1987年に発表したソロ・デビューアルバム「フェイス」はグラミー賞を獲得するが、1990年発表の「フリーダム!’90」で、ポップスターのイメージから脱却を図る……
名声を望みつつも、名声によって妨害されないプライバシーを求めるジョージは、日々葛藤とジレンマを抱えていた……
「ワム!」が活躍していた当時、はら自身は学生時代であり、今思うと最も洋楽に親しんでいた時期だと思う。それ故、「ワム!」時代の楽曲には聴き馴染があり、この映画は懐かしい思いで観始めた。
スタイルからすると、現在にも通じるアイドルデュオなのに、その音楽性は高く、10代のうちに名曲「ケアレス・ウィスパー」を書いた、と言われると、今更ながらその才能には感心するばかり。
活躍した時代が1981年からなので、活動初期から、ビデオ素材もふんだんにあり、こちらの記憶と合わせ、当時の様子を実感出来るのは間違いない所だ。
だが、この映画、よくある証言ドキュメンタリーとしても、出来はあまりよくない……関係者インタビューと記録映像を小刻みなカットバックで見せる、と言う手法や見せ方は凡庸だし、数多く登場する関係者も、「これは」と思う人が少なく、正直誰だかさっぱり……まぁ、これは関係者のテロップに日本語訳をつけない日本版の問題もあるのだが……
また、「ワム!」のマネージャーと言う、近い立場の人物が監督しているのにも関わらず、取り上げる内容に、「ここだけの話」的なものはなく、関係者の発言も表層的かつ普遍的なものに終始した印象。
紹介される楽曲もまた細切れにされた印象で、全体的には、ちょっと食い足りない印象を受けた。
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