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2025年10月25日21:47

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「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」感想

 これは、1995年にTV放送され、終盤には社会現象とも言える大ブームを巻き起こしたSFロボットアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の劇場版完結編。
 1997年に公開された劇場版「シト新生」の新作パートである「REBIRTH」編の完全版となる。
 総監督には庵野秀明があたり、全体の脚本も庵野が執筆しており、本作は庵野秀明の作家性と言うか、個性が色濃く出たものとなっている。
 今回、「エヴァンゲリオン」30周年記念の「月1エヴァ」再上映企画で、久々に劇場で鑑賞。
 フォト
 最後の使徒である、第十七使徒を倒したネルフだが、依然として第一種警戒態勢が布かれ、隊員は施設外にも出られない状態が続いていた。
 しかも、初号機パイロットの碇シンジは第十七使徒との戦いで完全に気力を喪失、弐号機パイロットのアスカも昏睡状態、と言う戦闘不能状態。
 そこへ、日本政府によるネルフ施設の接収が告げられ、上位機関ゼーレも動き出す……彼らは今こそ「人類補完計画」を発動させようとしていた――
 
 「エヴァンゲリオン」のTVシリーズの終盤、第弐拾五話と最終話は、散りばめられた謎の解明や物語の結末を一切描写せず、碇シンジの精神世界を描くのに終始して賛否両論を呼んだ。
 この劇場版完結編はTV版最終2話をリメイクするもので、TV版のフォーマットに合わせ、前編は「第25話・Air」、後編には「第26話・まごころを、君に」と、それぞれナンバリングがなされ副題がつけられている。
 この新作部分はエグいシーンの連続――冒頭のシンジの自慰シーンに始まり、戦略自衛隊によるネルフ施設制圧戦闘、弐号機とエヴァ量産機との死闘、エヴァとリリスの覚醒、補完計画の発動、と、エログロ取り混ぜアニメならではの描写で見せてしまう……よくもまあここまでやった、と思う内容で、これでR指定入らなかったのが不思議なほど。
 また、もともとのTV版2話、46分を87分で描くので、いささか展開が冗長のように感じてしまったりするが……もっとも映像のインパクトが物凄いので、中盤あたりから、神経が麻痺して気にならなくなってくるのだけど。

 映画の内容、と言うかテーマは、事実上、庵野秀明の個人的な問題を引き写したものであり、私小説と言うよりも私的な愚痴に近い――希代の才能と特異な個性から、人や社会との距離感が掴めず苦悩する庵野秀明の心情を吐露した内容が、その才能や時代の空気感から多くの人々の共感を呼び込み、それが共鳴を起こして巨大なムーブメントを起こした、と今となっては思える――映画中で苦悩するシンジの独白や叫びに、当時は心動かされたものだが、今やそれを冷静に観る事が出来、当時の感情を懐かしく思えるようになったのが、27年の時間か……

 そんな個人的な内容だけに、庵野秀明の変化により、物語もまた変化して行く事を避けられない。この後にリメイクされた「シン・ヱヴァンゲリヲン」が、そのテーマや結末を大きく変えているのがその証拠だろう。
 今後、再上映される「シン・ヱヴァンゲリヲン」でそれを確認して行きたいと思う。
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