これは、ジェーン・シェーンブルン監督による、メランコリックな異色の青春映画。
郊外の住宅地で、中学生のオーウェンは、漠然とした所在なさを抱え、生き辛い日々を過ごしていた。
そんなオーウェンは、ある日、2年先輩のマディと出会う。土曜22:30、深夜のテレビ番組「ピンク・オペーク」に夢中なマディは、オーウェンを引き込み、やがて2人は、番組の登場人物と自分たちを重ねるようになっていく。
そんなある日、マディは「このままでは死んでしまう」と、家を出ると言い、オーウェンを誘うのだが、オーウェンは彼女と共に行く事は出来なかった……
この映画、自分には難解、と言うか、正直理解するに至らなかったのが正直な所。
ジェーン・シェーンブルン監督も、ノンバイナリーと言う性的少数者であり、それまでの人間関係を捨ててカミングアウトした過去がある、とのこと。
本作は、そんな監督の想いが込められており、かなりビターな、そして異色の青春映画になっている、と思う。
そんな監督の想いが詰め込まれた作品世界は、1980年代の混迷するアメリカ文化が詰め込まれ、まるでアメリカン・ニューシネマのような描写や、陰影に特色のある美術も印象的。
そして語られるドラマだが、性自認をし、トランスする事が出来たマディと、出来なかったオーウェンを描く、青春の決断と悔恨を描くものになっている。その中には。オーウェンがマディと共に観た「ピンク・オペーク」の魅力的だった世界が、トランスを諦めたオーウェンには色褪せて見える、と言う残酷な描写もあるし、出来なかった決断を悔やみ続ける一生も描かれるのだ。
ただ、正直な所、1980年代のアメリカ文化、そして性的少数者としての主観描写について、どうにも理解がついて行けず、最後の叫びも心に響く事はなかった――ただ、この映画については、そうした「理解出来ない」のも仕方ないように思うし、そこで「理解した」と言うのも嘘になってしまうだろう。
これが心を打つ人もいるのだろう……ただ、自分はその当事者ではなかったのだろう、と思う。
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