を読んだ。昨日。東野圭吾著。
最近mixi日記を少しずつホームページに転記していっているのだが、それが現在10年くらい前に東野圭吾を借りて読みまくっていた時期にあたっている。
ところがどうも化夢宇留仁には合わない本が多く、まあまあクソミソな感想を書いていたところ、有識者の方が「これを読まずして東野圭吾を語るなかれ」という感じで送りつけてきた(笑)のが本書だった。
プロローグでは大河原番三という捜査一課の警部が、これまで名探偵天下一大五郎とともに難事件を解決してきたことを語る。
つまり警部はいつも事件を持て余し、代わりに天下一が解決してきたということなのだが、その真相は・・・ということで、過去の事件が語られていく。
第一章 密室宣言-トリックの王様
横溝正史に出てきそうな雪深い山奥の小さな村の小屋の中で見つかった死体。
どう見ても他殺なのに、犯人の姿は無く、唯一の出入り口には内側から心張り棒が・・・。
プロローグでは大いに笑わせてもらったが、それに続くこの話はもう少し突き抜けが足りないように感じた。
ちうか今は密室トリックってこんな扱いにまでなってたのね(笑)
第二章 意外な犯人-フーダニット
有名な画家がアトリエで刺殺されていた。そして周囲のあらゆるガラスが叩き割られていた。
容疑者は5人。しかし犯人は・・・。
意外な犯人だが、化夢宇留仁的には全然意外でもなかった。
前に読んだ○○○○○○?のせいだ(笑)
第三章 屋敷を孤立させる理由-閉ざされた空間
雪深い山奥の山道の上に建つ屋敷で行方不明になっていた招待客が死体で発見されるが、なぜかそれは屋敷から更にケーブルカーで山頂まで登ったところに。
しかし容疑者には全員アリバイが。
閉ざされた屋敷というのは化夢宇留仁もチープな印象を持っていたが、密室とは逆にだからこそ面白味があるような気がしていた。
しかしこの話のトリックは別次元(笑)
ちうか怪人二十面相を思い出した(笑)
第四章 最後の一言-ダイイングメッセージ
書道が趣味だった被害者は、謎めいた3つのアルファベットを遺して死んでいた。
ところがそれは・・・。
ダイイングメッセージに関しては、化夢宇留仁もそれを残す状況に説得力を感じたことがない。自分が死んだあとのことなど興味ないし(汗)
しかし本作のメッセージは初めて非常に納得のいくものだった(笑)
第五章 アリバイ宣言-時刻表トリック
軽井沢のホテルで若い女が殺された。しかし最も有力な容疑者は電車で移動しており、移動時間的に犯行時刻に現場に居合わせるのは不可能と思われたが・・・。
いわゆる西村京太郎風の話だが、これは大傑作(笑)
犯人が完全に犯人なところが傑作で、更にオチが酷すぎ、そこがまた傑作(笑)
まさにミステリとしてはこれこそが前代未聞と言える内容だろう(笑)
第六章 「花のOL湯けむり温泉殺人事件」論-二時間ドラマ
休暇を取って温泉にやってきた大河原警部は、土産物屋で賞味期限を気にしながらもなかを買う女性を見る。
その後その女性は自殺を思わせる遺体で見つかる。
事件に挑むのは大河原警部と、女子大生探偵天下一(笑)!
ミステリが2時間ドラマになった状況を完璧に再現しているミステリというわけのわからないシチュエーション(笑)
主人公が女子大生に設定変更されているのがリアルすぎる(笑)
第七章 切断の理由-バラバラ死体
森の中で女性のバラバラ死体が発見される。しかしその死体の切断ぶりは几帳面すぎた。
天下一はそこにある性癖が関わっていることに気づき・・・。
容赦なく提示される真の理由。
これは化夢宇留仁もホームズとかを読んでいるとよく感じることで、それが確率的に高いことは説得力を持って示せても、物事には例外というものがあるので断定は出来ないはずなのだ。
第八章 トリックの正体-???
天下一が呼ばれた屋敷は樹海の先にあり、苦労して歩く先に1人の若い女性の姿が。
そしてそれは勿論これから起こる殺人事件のプロローグなのだが・・・。
小説という形態自体にくさびを打ち込む内容・・・と言ったら大げさだが、確かにこれに符合する作品は多く存在しているように思う。
情報と想像力のせめぎ合いをコントロールするパズルとしてはありなのかも???
第九章 殺すなら今-童謡殺人
村に伝わる子守唄になぞらえ、次々と人が殺されていく。
子守唄は10番まであり、名探偵天下一と大河原警部の監視下にありながら、9人の犠牲者が。
そこでなんとか真相を突き止めた天下一だったが・・・。
昔から化夢宇留仁が一番腑に落ちないのが童謡殺人、または見立て殺人で、本文中にもあるがあまりにもコスパが悪すぎる。確かに雰囲気的には面白いのだが。
そして本作のオチは・・・
もう全然ミステリじゃない(笑)
第十章 アンフェアの見本-ミステリのルール
大手製薬会社の社長が、届けられたチョコレートを食べて毒殺された。
そしてそのチョコレートを送った宛名書きに使われたと思われる緑色のボールペンが被害者の書斎のゴミ箱に捨てられており・・・。
これはまさに意外な結末だが、これもやはりミステリとは言わないと思う(笑)
第八章とも通じる小説という形態への挑戦(笑)
第十一章 禁句-首無し死体
塔の最上階で首なし死体が見つかる。出入口にいた管理人は被害者が出資していた冒険家が塔に登るのを見ていたが、降りてきたのは確認しておらず、当然被害者はその冒険家かと思われた。
天下一は死体がすり替わっているのを前提に(笑)推理を進め・・・。
それを言ったらおしまいなのだ(笑)
第十二章 凶器の話-殺人手段
山奥のロッジのオーナーが中庭で死体で発見された。
被害者の身体には3カ所に刺し傷があり、周囲に血が飛び散っていることからその場で殺されたものと思われたが、凶器が見つからず・・・。
胸を刺しただけでは納得せずに更に手と足を突き刺したというのが行為として納得いかない。
とか思っていたらそもそも(笑)
もう完全に名探偵じゃなくなってる(笑)
エピローグ
プロローグのあとの時間に戻り、新たな事件が解決される。
しかしその犯人は意外・・・というか、予想通りなのだった(笑)
最後の選択-名探偵のその後
エピローグのあとにも話があるというこれまた掟破り(笑)
あからさまに「そして誰もいなくなった」シチュエーションで、様々な名探偵が集められ、その中には勿論天下一の姿も。
勿論どんどん殺されていき、残った者が犯人であるべきだったが・・・。
こうなったら当然そうなる(そうしかない)のはわかるが、しかしなんだかよくわからん(笑)
ちうわけで今まで読んだ東野圭吾の本の中では一番面白かった。
小林信彦の神野推理シリーズにも通じる部分があるが、こっちはもっとメタなところに踏み込んでいる。
ダントツで一番面白かったのは「アリバイ宣言-時刻表トリック」だが、どれも悪くない。
それにしても本格ミステリというのは、色々な制約でがんじがらめなんだなあと思った(笑)
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