金曜は……仕事の後の映画が難しい。結局、T−JOY横浜での観賞となり(それ以外に上映してない……)、一旦、家に戻ってクルマを停め、あらためて電車で横浜に行く事にした。
で、観た映画は、
「コンビニエンス・ストーリー」。
これは、「大怪獣のあとしまつ」が(良くも悪くも)話題となった三木聡監督による、ミステリアスコメディ。
脚本家の加藤は、日々悶々と悩んでいた。同棲中の恋人、女優のジグザグの言動は一々気に触るし、その愛犬・ケルベロスに、書きかけの原稿を消去されてしまった加藤は、ケルベロスを人里離れた荒れ地に捨ててしまう。
後日、思い直してケルベロスを探しに行った加藤だが、ケルベロスは見つからず、荒れ地の中にポツンと立つコンビニエンス・ストア“リソーマート”を見つける。店番をしていたのは、怪しげな人妻の惠子で……
「大怪獣のあとしまつ」にはがっかりさせられた三木聡監督だが、その持ち味はオフビートなコメディ。映画評論家、マーク・シリングによる原案は、主人公が異世界に迷い込む、と言うものだったようだが、映画は現実と異界の狭間を曖昧にし、真実の所在を明らかにせずに展開する……奇妙な登場人物、素っ頓狂な設定の数々も、これではツッコミようがなく、この世界観に浸るしかないのだが、これこそ、三木聡監督の持ち味が活かされた感じ――それでも、無意味に揺れるカメラなど、苛々させられる箇所もなくはないが、これは面白く観られた。
主人公の加藤を演じるのは成田凌。巻き込まれ型の主人公で、これは、と言う部分はない。むしろ、映画を支えているのは、恵子を演じた前田敦子。余分な説明抜きで、リソーマートが異界だと言う事を示す、違和感だらけの存在感を発しているのは大したもの。主人公を異界に誘う妖艶なファム・ファタールを演じている――欲を言えば、これで脱ぐくらいの気合いが欲しかったが……
変な理屈立てをせず、綺麗にまとめもせず、放り出したようなちょっと痛いオチもいい。
三木聡監督の持ち味が活かされた1本と言っていいのではないだろうか。
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