月曜は在宅勤務。仕事の後、本日は109シネマズ川崎で、
「アネット」。
これは、「ホーリー・モータース」のレオス・カラックス監督が、初めて挑んだ長編ミュージカル。
原案・音楽はロン&ラッセル・メイル兄弟によるポップ・バンド、スパークス。出演はアダム・ドライバーとマリオン・コティヤール。昨年のカンヌ国際映画祭で監督賞を受賞している。
ロサンゼルス。”最強の類人猿”と言われる人気のスタンダップ・コメディアン、ヘンリーと、国際的なオペラ歌手のアン。ふたりは恋に落ち、“美女と野人”とも言われる異色のカップルとなり、やがて結婚。ふたりの間には娘のアネットも誕生するが、ふたりの差異にヘンリーは悩み、酒に溺れるようになって……
これは異色のミュージカル。描かれるのは一見、メロドラマではあるのだが、映画が語る物語は異様なものであり、そこはやはりレオス・カラックスだ。
ロック・ミュージカルと紹介される本作だが、その音楽はロックではなく、オペラから、ポップス、ロック、前衛音楽と様々なジャンルを横断するもので、そこはスパークスらしさだろうか。
ミュージカルとしては意欲的で、殆どのシーンが、と言うよりも全てのシーンに音楽が重ねられている――ドラマの中に歌と踊りがあるのではなく、音楽と歌で、ドラマを物語るのだ。コメディアンであるヘンリーの舞台を、観客の笑い声まで楽曲に盛り込んで演奏するのは圧巻だし、セックスや出産、更には殺人までもが楽曲になっているのだ。
同様に圧巻の存在感を見せているのが主演のアダム・ドライバー――なるほど、これを観ると彼が現在、ハリウッドで最も必要とされる俳優と言うのにも頷ける。
そして、特筆すべきは、終盤で成長したアネットを演じるデビン・マクダウェルで、この年にして見事な演技と歌で、これは感心した。
だが、この映画、どうにも乗れなかった。その問題は、ミュージカル映画なのに、どうにも音楽がよくない――と言うか、ドラマを語ろうとするせいか、音楽でどうにも心揺すぶられない感じ。
これだったら、ミュージカルではない、普通の映画にした方がよかったのではないか、と思える程で、策士策に溺れるではないが、いささか凝り過ぎ、結果として面白みを削いでしまっているように思えた。
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