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2022年01月22日19:53

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裏切りの氷河

を読んだ。デズモンド・バグリイ著/矢野徹訳
 ナイフで心臓を刺された男が地面に横たわる。
彼を刺したのはアラン・スチュワートという元英国情報部員で、引退した身だったが昔の上司に半強制的に頼まれて運び屋のような仕事をしている最中だった。
元上司であるスレイドの話のとおりなら仕事は簡単なもののはずだったが、いきなり襲われて相手の命を奪わざるを得なくなってしまったのだ。
なんとか目的地に着いて空港から出ると、いきなり4人の男に取り囲まれ、荷物を奪われる。
これで任務は失敗したわけだが、この仕事自体に不審なものを感じていたアランは予防策を講じていた・・・。
 ちうわけで大御所バグリイの冒険小説2冊めを読んだわけだが、これまた「ゴールデン・キール」に負けないくらい面白かった。
今回はハードボイルド味強めで運び屋としての仕事から物語が始まるので、今まで読んだ小説の中で内容が近い作品といえば「深夜プラス1」ということになる。
どっちも面白かったが、化夢宇留仁の好みとしては本作のほうが盛り上がって楽しめた。
スリルという点でも、深夜〜にはアル中とは言えプロのガンマンがボディーガードについてくれていたが、こっちはイギリス情報部、ロシア情報部、果ては米軍からも狙われているのに一緒にいるのはなにも知らない彼女1人という心細さである(笑)
 本作の舞台はアイスランドなのだが、その気候風土は勿論、川が何本も道の「上」を流れているとか、自動渡河装置とか、聞いたこともないようなものが次々に出てきて目を離せない。
 勿論相変わらず出てくるおっさんたちはみんな魅力的で、本作では特にロシア情報部のケニキンが実に味わい深い。
彼は過去にアランに股間を撃たれて不能になっており、復讐を誓っているのだが非常に論理的な頭の持ち主でもあり、更にブランクによって無能な部下しかつけてもらっていない悲哀とジレンマの中、一生懸命頑張っているのがやたらに魅力的なのだ。
 そして後半からラストに向けては急激な盛り上がりを見せ、ラストの銃撃戦は鳥肌モノで化夢宇留仁は叫んだよ。
「サイコガンかい」(笑)!
勿論精神力で撃つ銃が出てくるわけではないが、サイコガンなみに活躍する銃が出てくるのだ。
 「ゴールデン・キール」ではあんまりだった女性の描き方も、あれから数年後に描かれている本作ではだいぶ改善し、違和感を感じるほどではなかった。
いわゆる「都合のいい女」ではあるが(笑)
 問題の「荷物」のからくりもなかなか意外な理由が用意されていて面白かった。
そういうアイデアも出てくるのね。
 ちうわけでやっぱバグリイは外れないんだなあとしみじみ思ったのだった(笑)
本作は映画化されているようだが、世の中にはVHSしか存在していないらしい。
観てみたい・・・。
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