これは、「世界の果ての通学路」のパスカル・プリッソン監督が、様々な障害を抱えながら夢を追い続ける5ヵ国6人の8〜14歳の子供たちを追ったドキュメンタリー。
フランスのモードは出生時に片足を失い、聴覚障害も抱えているが、義足でバレエに取り組んでいる。ルワンダのサビエルはアルビノで、好奇の眼差しや身の危険を感じながらも熱心に勉強し、医師になる夢を抱く。ネパールのニルマラとケンドは2015年の大地震で共に片足を失ったが、互いを支え合い、義足でダンスの練習に励む。視覚障害を持つケニアのチャールズは、視覚障害を持つ伝説のランナーに憧れ、自身も長距離ランナーになる夢を抱く。ブラジルのアントニオは自閉症、注意欠如多動症、聴覚障害を抱え、しかも父親は車椅子生活……だが、彼は様々なことに興味を持つ活発な少年だ――映画は、こんな6人の子供たちの日常や挑戦、家族や仲間たちとの関わりを映し出していく。
これはいい映画ではある、と思う。「世界の果ての通学路」のような驚きと感動はないが、あくまで子供に寄り添い、その自然な言葉を引き出すプリッソン監督により、障害に決して負けない子供たちの“成長”と言う力を感じられるものになっている。登場する6人の子供たちのひたむきさや、障害を超えるための常人以上の努力には胸を打たれるのは確かだ。
また、フランスを除けば、先進国ではなく、豊かでもない国々であっても、こうして障害のある子供たちが夢に向かって進む道があるのだ、と言う事にも感心した。
ただ、自分は、本作に素直に感動する事が出来なかった。それは映画冒頭で、フランスのモードが発した言葉にある。彼女は、
「自分は恵まれている。他の子供たち、他の国の子供たちも同じように恵まれているのかな?」
と言った――そう、この映画に登場した子供たちは恵まれているのだ。障害はあっても、それを克服しようとする彼らを、手厚くサポートする人々がいる。だが、世の中の多くの障害児が同じではないし、それどころか、健常児であっても、貧困や家庭環境、そして戦乱で、夢を追う事を諦めるしかない多くの子供がいる、それが現実だろう……そんな現実を思うと、その中の“綺麗な上澄み”のひと掬いでしかない本作には、どうにも釈然としないものを覚えてしまった。
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