mixiユーザー(id:12923117)

2026年06月14日21:15

92 view

『アダムの原罪』感想

〜2021年の長編デビュー作「Playground 校庭」で注目されたベルギーのローラ・ワンデル監督の長編第2作で、小児科病棟に入院した4歳児とその母親の処遇をめぐって繰り広げられる一夜のドラマを、彼らに寄り添おうとする看護師の視点から描いたヒューマンサスペンス〜
〜とある病院の小児科センターに、左腕を骨折した4歳の男の子アダムが入院する。栄養失調で痩せこけた彼は発育が遅れており、骨がもろくなっている。裁判所は移民でシングルマザーのレベッカがアダムに適切な食事を与えていないと判断し、彼女の面会を制限する命令を下す。自身もシングルマザーである看護師長ルシーは、息子と引き離され親権を失うことを恐れるレベッカに寄り添おうとするが、レベッカの軽率な行動と、上司や同僚からのプレッシャーにより追い詰められていく〜<映画.comさんより>

フォト


     フォト    フォト    フォト


『Playground 校庭』でのゾクゾク感、結構、まだ肌に沁みてます。ゆえに、今作も期待しての観賞。

ただ、どうにも邦題がピンとこない。
出てくる男の子の名前がアダムで、内容に聖書がらみを感じ取り、こうなったんだろうとは思うけど、この邦題だとアダムが何か悪いことをしたかのようなニュアンス。
原題も英題も「アダムのために」で、邦題もそれでよかったのにと思う。

巷の感想でも言われてますが、今作、雰囲気は『ナースコール』に似ています。

看護師長ルシーは、今日も休む間もなく、小児科センターを歩き回る。

4歳の男の子アダムが入院。左腕を骨折している。
骨折の原因はどうやら栄養失調。骨がもろくなっているということ。
母親のレベッカが、適切な食事を与えていないらしく、アダムの鼻から栄養チューブが見えている。
このチューブが抜かれ、その長さが見えた時、私は、このチューブが、この母と子を繋いでいる絆のように見えてしまった。
歪(いびつ)なれど、命の支え。こんな関係はいけない。止めさせなくては。
レベッカもアダムにチューブは入れないでほしいとは思っている。
だが、病院食はこっそり捨て、自分が持ってきた離乳食もどきをアダムに食べさせている。

ルシーの上司や同僚は、レベッカをアダムから引き離すべきだと主張。
「アダムは母親に洗脳されている」
実際、私も観ていて、レベッカの行動、態度に、超イライラ。
おめえが元凶なんじゃねえか〜。頼むから、医師や看護婦さんの言うこと聞いてくれ。

でもレベッカと同じくシングルマザーであるルシーは、レベッカの気持ちを理解していました。
今のアダムには母親が必要。また、アダム同様、レベッカも救ってあげなければいけないと。

メインの流れはルシーとレベッカ。
テーマは「従うべきは、母性かルールか」みたいな。

メインの流れに沿って描かれる様々な入院患者
・息子を研修医(黒人女性)に診てもらうことを嫌がる父親
ルシーは断固たる姿勢で、病院のやり方に従ってもらいます
・移民一家の息子はフランス語を話せるが、親は話せず。どうやら住む場所がなく困っている様子。
ルシーはソーシャルワーカーに相談するようにアドバイス
・中絶に来たムスリム女性。親にバレたら家に入れてもらえない
ルーシーは「虫垂炎だった」と言うことを提案

職員たちの目が離れた時、レベッカはアダムを外に連れ出し、階段から落ちてしまいます。
アダムにつきあってもらうため、父親(レベッカと離婚した元夫)が呼ばれます。
父親は再婚していて、今の奥さんとの間に赤ちゃんが生まれています。

アダム「パパはイヤ。ママがいい」
父親も、それをわかっているようで、アダムとどう接していいかわかりません。
やがて父親は「アニメ見るか?」とアダムにスマホを渡します。肌と肌の接触はありません。
ルシーとアダムが一緒にTVを見るシーンがあったんですが、ルシーはベッドでアダムの隣に座り、寄り添っていました。
また、どうしてもわかってくれない時は、怒るのはではなく、アダムを抱きしめていました。

ルシーが歩き回る後ろ姿をカメラが追う。
表情は見えない。ため息は足音にかき消され・・・。
子どもに電話を入れ、何かの薬を飲み、顔を洗うルシー。

「君は加担しすぎだ」

※予告編
https://youtu.be/jWi0qowz8Rk?si=FsdY16TAOMyAbs5a

製作にはベルギーの名匠ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟。
レベッカ役は『あのこと』のアナマリア・バルトロメイ。
あえて難役ばかりを選んでいる?でも、上手かった。

後半のある時点まで、緊迫感が終始漂い、どんな着地点になるかドキドキ。
だが、だが、あるアダムの一言で、張り詰めていた空気が、一気に緩んでしまった。
4歳の子があんなことは言わない。普通言わない。
その後の展開のために’必要だと思われた台詞’としか思えなかった。
あれは、本当に、引いてしまって、もう、もう、残念無念。

ラストシーン、アダムは病院に残り、レベッカは外に出る。
そして、レベッカを救うために、ルシーはレベッカをある場所に連れて行こうとする。

う〜ん、あともう少し展開してから終わってほしかったていうのが本音なれど。

総評:『Playground/校庭』が72分。今作が79分。
長尺の作品ばかりが出回る中、80分以下で濃厚な内容を撮られているのは貴重。
ほんと、アダムのあの一言さえなければ、評価、下がらなかったのに。
もしかして、あれが『アダムの原罪』だったのか!?
今作、内容そのものは見応えあります。観て損はしません。
私が気になったアダムの一言も、許せる人は許せるかも。確かめるために劇場へGO!3.6☆
5 6

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2026年06月>
日 月 火 水 木 金 土
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930    

最近の日記