最近、なかなか映画感想を書けず、で、取り急ぎ、先週末に観た映画の短評をざっとまとめた……何とか感想を仕立てられるとよいのだけど……
「霧のごとく」
これは、台湾の映画賞・金馬奨で最優秀作品賞など4部門を受賞した社会派ドラマ。
監督は「1秒先の彼女」のチェン・ユーシュン。
物語は、1953年、戒厳令下の台湾で、反政府分子として処刑された兄の遺体を引き取るために台北を訪れた少女と、国民党軍の元軍人として中国から台湾に渡り、その日暮らしの生活を送る元軍人の交流を描くものとなる。
この映画、予告編から受ける印象とまるで異なる。社会派で、ちょっと幻想的でもあったりする芸術性の高い映画……と言う予想を裏切り、娯楽映画、とまでは言わないけど、人情喜劇あり、ドタバタギャグとなる笑えるシーンあり、手に汗握るサスペンスあり。そして、最後は感動の大河ドラマとなる。これは力作、そして面白い。
「君のクイズ」
これは、直木賞作家・小川哲による同題ミステリー小説を映画化したもの。
出演は、中村倫也、神木隆之介、そして、ムロツヨシ。監督は、「ハケンアニメ!」の吉野耕平。
生放送のクイズ番組の決勝戦に残った三島と本庄。本庄は問題が1文字も読まれないうちに正解を言い当てる。三島はこの不可解な“0文字解答”の謎に挑む。
これは、結構理詰めのミステリー……早押しクイズを理屈で解きほぐし、そこから「問題文を一文字も聞かずに正解した」と言う謎を、無理筋の理屈も、魔法も使わずに説明する――そこに重なる人生のドラマ……これは見応えもあるし。よく出来てる。
「ボタニスト」
これは、新疆ウイグル地区出身の映像詩人ジン・イーの長篇デビュー作。
新疆北部の小さな村を舞台に、植物を観察する13歳のカザフ族の少年と漢民族の少女の交流を綴る。出演は本作が映画初出演となるカザフ族の少年イェスル・ジャセレフ、同じく映画初出演のシベ族の少女レン・ズーハン。
この映画、映像はいいし、近年、様々な問題もあって目にする機会が少なくなっているウイグル自治区の風景や、そこに暮らす人々の生活などは興味深い。
しかし、物語は動かず、正直、退屈してしまい、眠くなってしまった。
「ザ・コラール 希望を紡ぐ歌」
これは、「教皇選挙」のレイフ・ファインズ主演、第一次大戦中のイギリス・ヨークシャーを舞台に、合唱団が戦争で疲弊した町を再生させるのを描いた人間ドラマ。
監督は舞台版・映画版「英国万歳!」などを監督したニコラス・ハイトナー。
この映画、決して悪い話ではない、音楽シーンには感動もあるし、町の人々がひとつになるのには胸が熱くなる……ただ、もやもやする感が残り、スッキリはしない感じだけど。
「ゼイ・ウィル・キル・ユー」
これは、悪魔崇拝者が巣くう高級マンションからの脱出劇を描くホラーアクション。
「ジョーカー」、「デッドプール2」のザジー・ビーツ主演で。監督は、コメディ・スリラー「とっととくたばれ」で注目されたロシア出身のキリル・ソコロフ。
これは、予想以上に面白かった。内容は、無駄話を省いた……って言うか、緩急の「急」の部分しかないタランティーノ映画、若しくはロシア版園子温と言うもの。つまり、血みどろ痛快アクションだ。
「廃用身」
これは、現役医師作家・久坂部羊のデビュー作でもある同題小説を実写映画化。
出演は染谷将太、北村有起哉、瀧内公美と、曲者が揃った。監督・脚本は「三つの光」の吉田光希。
麻痺などにより回復見込みがない手足、“廃用身(はいようしん)”に対して医師が施したある“治療”が、社会に波紋を広げていく――それは医療による救済か、悪魔の所業か……
これは、加齢や病気で動かなくなった手足を切除する事で、患者や介護者の負担を減らす、と言うものなのだが……歳のせいもあるし、変形し、痛む身体を目の当たりにする現実に照らし合わせ、身につまされる部分があって嫌だし、そして考えさせられる。中盤以降は、目が離せない展開だ。
それにしても、クールに狂ってる人物を演じるとなると、染谷将太は相変わらず抜群に上手い。
「ママと神様とシルヴィ・バルタン」
これは、内反足で生まれた少年が、パワフルでポジティブな母の愛と“推し”のシルヴィ・バルタンの歌によって、ひとりで歩けるようになった奇跡の実話を、「人生、ブラボー!」のケン・スコット監督が映画化したもの。
尚、シルヴィ・バルタンも本人役で出演している。
これは強烈な映画であった……これが実話と言うのが信じがたい。
子供の為に、母はここまで尽くすのか、と言うのが描かれるのだが、さすがに、ここまで行くと、殆どブラックジョークになってしまっている。
そこも含め、「献身」と言う事を考えさせられた映画。
……と、まぁこんなものかな。
ログインしてコメントを確認・投稿する