これは、アヌシー国際アニメーション映画祭で、長編部門グランプリ・ベストサウンドトラック賞をW受賞したフランスの長編アニメ。
監督は、本作が長編デビューとなるウーゴ・ビアンヴニュ。
2075年、気象変動により災害が多発するようになった世界で暮らす10歳の少女イリスは、空から虹色の謎の物体が落下するのを目撃する。
それは、30世紀の未来から、時を超えてやって来た、虹色の飛行スーツを纏った少年アルコだった。未来へ帰る方法を探るアルコに協力するイリスだったが、謎の三つ子がふたりを追ってきて……
このアニメ、アヌシー映画祭グランプリに輝くなど高い評価を受けた、と言うのだが、その出来はかなり残念なもの。それでも、本作が日本で劇場公開に漕ぎつけた、と言うのは判るような気がする――このアニメ、スタジオ・ジブリ以前の宮崎アニメ……「未来少年コナン」や「天空の城ラピュタ」の影響が色濃いのだ。細かくは指摘しないが、ボーイ・ミーツ・ガールの建付けから、細かな設定、描写や演出など、随所にその影響を見る事が出来るだろう。
また、物語世界に、現実で起きている気象変動を取り入れている事はよいと思うのだが、気象災害はバリアーで防ぎ、海面上昇には、樹木型の都市を構築して、上空に居住空間を広げて対応、と根本解決ではなく、対処に終始するのは、西欧的である、と言うか単なる安易と見るか……
アニメとしては、まず、キャラクターは、宮崎駿ではなく、大友克洋風で、主人公のイリスに可愛げがないのが残念……ただ、アニメとしての出来はまずまずで、動きなどは決して悪くない。だが、それ故に、リアリティのなさは気になってしまう。
本作は、かつての宮崎アニメ風のファンタジーであり、ウーゴ・ビアンヴニュ監督の立脚点がよく判る……だが、宮崎アニメを真似るも、その技術は、凡そ40年前の「ラピュタ」にも及ばず、物語もその背景も至らずで力不足は明確だ。
フランスアニメとしては、先日公開された「マーズ・エキスプレス」の出来がよかっただけに期待させられたのだが、本作については、かなり残念な出来だった。
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