これは、「ハムネット」のジェシー・バックリーと「ダークナイト」のクリスチャン・ベールのW主演で製作した、ゴシック・ホラーの名作「フランケンシュタインの花嫁」のリメイク。
共演はアネット・ベニング、ジェイク・ギレンホール、ペネロペ・クルス。監督は、女優として多数の作品に出演し、初監督映画「ロスト・ドーター」が高く評価されたマギー・ギレンホール。
1936年、シカゴの暗黒街。ギャング団が入り浸るレストランで、酒とドラッグでトランスでトランス状態となったアイダは、男たちへの悪態がエスカレートさせるうち、ギャングのボスの悪行に触れてしまい、部下たちに店外に連れ出され非常階段から突き落とされて死亡する。
時を同じくして、フランケンシュタインの怪物から「伴侶がほしい」と頼まれたユーフォロニウス博士は、女性の遺体を探し、埋葬されたばかりのアイダの墓を掘り返し、彼女を、フランケンシュタインの怪物の花嫁“ブライド”として蘇らせるのだが……
本作は、「フランケンシュタインの花嫁」のリメイクとして企画された、と言う。作中に「フランケンシュタイン」の作者であるメアリー・シェリーが登場するのも、その、メアリー・シェリーと“花嫁”を同じ俳優が一人二役で演じるのも、「フランケンシュタインの花嫁」と同じだし、映画の時代設定が1936年と言うのも、その前年に公開された「フランケンシュタインの花嫁」を意識しての事だろう。
ただ、出来上がった映画は、ホラー映画であったオリジナルからは大分様相の異なるものとなっている――確かに、前述した通り設定はオリジナルを踏襲しているし、怪物のビジュアルも、昨年公開されたNETFLIXの「フランケンシュタイン」よりも、オリジナルのボリス・カーロフが扮した怪物に近いものにはなっているのだが、本作のテーマと物語は、神の摂理に反した怪物を描くホラーではなく、女性を虐げる社会と暴力に反抗するフェミニズムを描くものであり、女性の自立と解放を描こうとするものなのだ。
そんな映画で、アイダとメアリー・シェリーの二役をひとりで演じたジェシー・バックリーの奮闘ぶりはさすが、としか言い様がないが、映画としては、主題となるテーマ以外に盛り込まれた要素が煩雑過ぎる程多く、掴みどころのない印象を与えるのが残念だし、オープンエンドとされたエンディングもいささか中途半端に思えた。
これならば、ユーフォロニウス博士の再生術により不死の怪物と化した女たちが、暗黒街の男たちに復讐を果たす、とした方が、本来の“モンスター映画”としても、納得の出来る決着だったのではないだろうか?
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