これは、Netflixで配信中のアニメーションで、昨年、アメリカで応援上映された所、その週の全米興行成績1位を獲得、今年度アカデミー賞でも長編アニメーション映画賞の受賞が確実視されている話題作であり、今回、アカデミー賞の表彰式を前に、漸く鑑賞する事とした。
K-POPスターのルミ、ミラ、ゾーイの3人組ユニット「HUNTR/X」は、永年に渡り、人々の魂を奪い、世界の支配を目録デーモンと戦い続けて来た戦士でもあった。
ツアーを終え、暫しの休息に入った彼女らの前に現れたのは新進気鋭のボーイズアイドルグループ「サジャ・ボーイズ」――一躍、人気アイドルとなった彼らは、実はデーモンが「HUNTR/X」に対抗する為に送り込んで来たものだった。ファンの魂を奪い続ける「サジャ・ボーイズ」の躍進を阻止すべく、「HUNTR/X」もデーモンとの対決姿勢を歌とした新曲で対抗するが、ルミの声が出なくなるトラブルに見舞われる――その理由は、ルミが、仲間たちにも明かしていない出生の秘密によるものだった……
このアニメ、映画としては、Netflixの再生回数からすると全世界で会員のふたりにひとりが観た計算になると言う。それだけでなく、音楽の方も大ヒットとなっており、「HUNTR/X」の劇中歌である「ゴールデン」は、ビルボードで8週連続1位、サントラの方もアルバムチャートで2週連続1位となっいると言う。
アカデミー賞のノミネート作が発表された際、日本では本作を「知らない」人が殆どであったが、それは韓国コンテンツを毛嫌いする日本市場だけ、と見てよさそう……「デーモン」と来たら、既に欧米では「鬼滅の刃」(英語圏では「デーモン・スレイヤーズ」)ではなく「KPOPガールズ」をイメージするのだから。
そんなヒットの状況を生んだ本作だが、本作は、その内容も凄い。
韓国アニメとしては、昨年、「The Summer/あの夏」(
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1990547223&owner_id=124952&from=list_diary_title)を観た際、「現状ではまだまだ、と言うものである一方、世界でも通用する“韓流”が加わったら、これは侮れないものになりそうな気がする。」と書いたのだが、“韓流”に代え、世界で通用するコンテンツであるK−POPを取り入れ、3Dアニメで仕立てた本作は、侮れない、どころか、恐るべきものとなり、このヒットを生んだのだ。
劇中歌のK−POPは、大ヒットとなった結果が示す、魅力ある楽曲揃いで、それを韓流アイドルグループならではのダンスを合わせ、3Dアニメによる自在な視点で見せる歌唱シーンのエンタメ性については、大ヒットと言う結果がなくとも見事なもの、と言える。
韓国アニメの弱さであったアニメ作画は3Dアニメ化、と言う事で解消……どころか、ディズニー・ピクサーにも引けをとらないものとなっている。
その一方で、ドラマの方はいささか物足りず、設定や展開にも既視感を覚えるものだが、それをカバーして余りあったのがK−POPと言う事か……
昨年、「鬼滅の刃」、「チェンソーマン」が世界市場でもヒットとなった事が日本人を喜ばせたが、全世界興行成績としては「ナタ2 魔童の大暴れ」が、そして配信では本作が、大ヒットとなっていたのだ。
これは、“アニメ王国”の日本とて、もはやうかうかしてはいられない状況を示しているように思う。
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