これは、中国の経済犯罪捜査チームが、国際金融詐欺事件に挑んだ実話に基づくアクションサスペンス。
監督は「ポリス・ストーリー/REBORN」のレオ・チャン。
出演は「ゴールドフィンガー 巨大金融詐欺事件」のトニー・レオン、「1950 鋼の第7中隊」のドアン・イーホン、「ポリス・ストーリー/REBORN」のエリカ・シアホウ。海外キャストも、オルガ・キュリレンコにオリヴィエ・ラブルダンらなかなか豪華な顔ぶれになっている。
大規模金融詐欺の首謀者であるダイ・イーチェンを上海で取り逃がしてから7年……経済犯罪捜査チームは、パリでダイを捕捉した。
捜査官のイエ・ジュンは、“フォックス・ハント”チームを率い、ダイの逮捕と資金回収を目的にパリに飛ぶ。
問題は、犯罪者引渡し協定の施行までに如何にしてダイの逮捕を認めさせる事が出来るか――だが、法の穴を掻い潜るダイの周到な手管により、チームは翻弄され、事態は混乱していく。タイムリミットが迫る中、チームは、ダイの資金移動を阻止し、身柄を拘束できるのか……
これは面白い――地道な金融犯罪捜査を、少人数のチームの機動的捜査に置き換え、正体不明の詐欺グループとの様々攻防が繰り広げられるのだ。
(実際は、大物詐欺師ではなく、詐欺グループを海外まで追って逮捕した、と言う事件だったようだ)
プロローグとエピローグを除き、映画の舞台は殆どがパリ市街。そこで、追走劇あり、カーチェイスあり、銃撃戦あり、と何でもありのアクションが展開されるのは、まるでハリウッドの大作アクションのよう。しかも、犯人は金融詐欺師と言う知能犯であり、政治的駆け引きや、法廷闘争など、攻防戦は多岐に渡り、実に見応えがある内容だ。
名優トニー・レオンを「ゴールドフィンガー 巨大金融詐欺事件」に続き、犯人役で起用、その力量でダイ・イーチェンの底知れなさを見せているのはさすがだし、ベテラン・若手・女性と言うトリオの“フォックス・ハント”チームも実に魅力的だ。尚、チームの紅一点・シャオジアを演じたエリカ・シアホウは本作の脚本も兼任している、と言う。
気になったのは、フランスが舞台なのに、主人公らとフランス警察とのやり取りがほぼ英語で行われる事……これには違和感があった。
そして、最大の問題は、本作が、中国と中国警察の正当性を強くアピールするプロバガンダ映画の感が強い事……確かに、警察の協力を得るには仕方ないだろうし、それが中国なら尚更、と言うのは判るが、本作に込められたメッセージ性はかなり露骨だ。そして、中国警察の英雄性を描く為に、チームの女性、シャオジアを殉職させる、と言うのもすっきりしない――これは、昨年公開された「FPU――若き勇者たち」も同様だったが――現場で奮闘する女性が死亡、それで感動させよう、と言う狙いも、英雄譚には葬列、と言う描写も、やりすぎで安っぽく感じてしまった。ここは、シャオジアの殉職と並行して描かれた爆弾サスペンスをなくし、瀕死の彼女を救うサスペンスにした方がよかったのではないか、と思う。
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