これは、世界各地の映画祭で話題となったと言うパク・セヨンの長編監督デビュー作。
写真家としての経歴も持つ監督のパク・セヨン監督は、本作では監督・脚本・撮影・CG・編集と、多くの工程に関わって本作をまとめ上げている。
同棲カップルの部屋に置かれたベッドのマットレスからある日、カビが咲く。カビの生えたマットレスは、引っ越しを機に捨てられ、その部屋からラブホテル、病院へと、各地を転々と彷徨うカビの旅が始まる。
カビは、旅の途中で出会う人々の心臓に近い第五番目の胸椎を奪い、マットレスの中で吸収した胸椎と、人々の気持ちにより、自らを変容させて……
この映画、「マットレスに咲いたカビのロードムービー」と言う奇想天外なコピーがつけられている。
勿論、奇想天外な物語は悪くない……のだが、その内容が、正直、意味不明なのだ……映画解説にあるストーリーを、映画から汲み取る事は出来なかったし、そもそも、カビが生えた薄汚いマットレスを、拾って来て、再利用しよう、と言う人が次々に現れる事自体が既にあり得なくて、本作の“旅するマットレス”と言うコンセプトから既に破綻している、としか思えない。
確かに、写真家でもあるパク・セヨン監督の映像は、それだけ見れば悪くはなく、印象的なカットもあるのだが……とにかく、ホラーともファンタジーとも判然としない物語に、はっきりしないオチ、尻切れトンボ感のあるラストと、納得できない事だらけで、どうにも映画の意図が汲み取れない。
久々に訳の判らない映画を観た、と言う印象だ。
ログインしてコメントを確認・投稿する