これは、2021年に公開されたフランスとベルギーの合作映画「ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから」の日本版リメイクとなるファンタジックなラブストーリ−。
出演は、元Sexy Zoneの中島健人と、シンガーソングライターのmilet。監督は、「TANG タング」の三木孝浩。
リクとミナミは大学時代に出会い、お互い一目惚れをし、やがて結ばれる……小説家を目指していたリクは、ミナミのサポートの甲斐もあって小説家デビュー、一気にベストセラー作家となる。しかし、その一方で、ミナミはミュージシャンとなる夢を諦め、何時しかリクを陰から支える事しか出来なくなっていた……それでも、リクはこれで全てうまく行っていると思っていた。
だが、ある朝リクが目を覚ますと、ミナミの姿がない。さらに出版社に打ち合わせに行くが、出会う人々と話がかみ合わないことに戸惑う。
自分は何時の間にか文芸誌の一編集部員になっており、ミナミはカリスマシンガー“前園ミナミ”として活躍していた……
この映画、「朝起きたら世界が変わっていた」と言うパラレルワールドものなのだが、SF色は殆ど感じられない――どうして、そうなった?がない、緩い世界構築で、話運びにもご都合主義的なものを多分に感じる……まぁ、これはオリジナルの映画の方も同様で、元々が緩い物語なのだ。
人物設定もオリジナルから引っ張っている感じで、共に暮らすパートナー同士であっても、個をしっかり持ち、自分のやりたい事を通す……フランス人ならば、これも当然の事かも知れないが、この辺りは、オリジナル版でさえ、その自己中心的な姿勢に辟易とさせられた程で、日本でこれをやると、かなり独善的な人物に見えてしまうのが難点か……
上手い、と思ったのは、日本版でのアレンジで、オリジナル版ではピアニストだったヒロインを、シンガーソングライターに変え、自身もシンガーソングライターのmiletが演じている。リクの為に未完成に終わったミナミの歌が、変容した世界で、完成し大観衆の前で歌われるのは感動的で、この音楽の力により、リクの変容に説得力を出しているのだ。
また、世界の変容を、誰からも理解されないリクの理解者となる、梶原先輩もよかった――「オレが幸せになりたいんじゃない。アイツが生きている世界をオレは選びたい」と言う梶原先輩の想いには思わず涙してしまった。
映画の結末は、これまた日本版で改変された部分……オリジナル以上に甘ったるく、綺麗にまとめたエンディングを迎えるが、それを望んだのがリクの独善的な想いからではない、と言う事で腑に落ちた。
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