mixiユーザー(id:124952)

2025年12月28日19:28

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「マチルダ・悪魔の遺伝子」感想

 これは、全編生成AIで作られた初の長編劇映画だと言う。監督・原案・脚本は、スペイン・バルセロナ在住の作家・クリエイターの遠藤久美子。彼女が初めて手がけた映像作品であり、生成AIにより4カ月で本作を完成させた。
 映像のみならず、セリフ音声までAIで生成しているが、音楽はAIと作曲家・内山肇との共作となる。
 https://www.devilsgene.com/
 遺伝子学者マチルダは、人類の攻撃性と暴力性に関与する遺伝子を発見し、それを“悪魔の遺伝子”と名付けた。
 マチルダは、人類の平和な未来の為、人類から“悪魔の遺伝子”を除去する“マチルダ計画”を密かに発動させる――だが、“悪魔の遺伝子”を取り除いた副作用として男性が生まれなくなってしまう。
 そして、西暦2222年、最後の男性が死亡し、“悪魔の遺伝子”は消えた――これで、マチルダが夢見た“人類のシフトアップ”が実現されるのか……

 この映画、正直、かなり“トンデモ”な部類に入るだろう――物語は、あまりに男性嫌悪が露骨で、暴力描写も即物的・直接的で、生々しくなり過ぎるのを、生成AI画像の“作り物”臭さが緩和している程度……SFとしても物語は陳腐だし、「美しい世界」として出て来るのが砂漠や岩山ばかり、と言う、描写の偏りも感じる。
 また、登場人物の方も、よくある生成AIキャラクターのレベルでしかなく、最近米英で話題のAI女優・ティエリー・ノーウッドなどに比べたら雲泥の出来で、この分野における日本の立ち遅れを感じる部分だ。

 だが、着目すべきは、映像制作が初めてと言う人物が、生成AIを使い、極めて少人数のスタッフの手助けがあったにせよ、70分の映画を4か月で作り上げてしまった事、だと思う。
 本作は、極論を言ってしまえば“素人仕事”でしかないのだが、この“ツール”を、優れたクリエイターが使いこなしたら、どうなるか……その時には、新海誠や、ギンツ・ジルバロディスが出て来た時以上の衝撃で、既存の映画製作を揺るがしかねないものになるのではないだろうか?
 また、プリヴィズなど、映画製作の方法を変えてしまうようなインパクトも感じる。
 そうした意味では、今後とも、映画製作における生成AI活用には注目をせざる得ないだろう……ちょっと不気味な力を感じる1本だった。
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