これは、俳優の樹が企画・製作・主演、八木伶音が監督・脚本を務める自主企画映画。
樹はこれが初主演、八木監督は初の長編劇場映画、と言う事で、謂わば自分の舞台を自ら作り上げた、と言う格好か……
不眠症に悩まされている平岡修二は、何の仕事に就いても長続きせず、今は職もなく、友人に金を借りてはその日暮らしを続けている。
だが、家賃は滞納、電話も止められ、平岡は人探しのビラに目を留める、失踪した女性・小川翠を見つけたら10万円の謝礼を出す、と言う。
平岡には、小川翠の写真に見覚えがあった。10万円を目当てに、小川翠を捜す平岡は、徐々に彼女に意識を占領されて行き……
本作は自主製作映画なのだが、製作の樹、八木監督共、20代でありながら、決して背伸びをせず、身の丈に合った映画にしているのが好印象。
その中で、一点豪華と言えるのが、ヒロインの小川翠を演じる芋生悠で、“単館映画のプリンセス”とでも言うべき彼女がいるだけで、ちゃんと映画になるのは大したものだと思う。そして、劇場には彼女目当てと思しき男性の姿がちらほら。(まぁ、自分自身、芋生悠の名前がクレジットにあるから観に行ったようなものなのだが)
物語は、現在を生きる若者目線で人との繋がりを描くものとなる。いささか青臭くはあるが、これが“現在”と言うものの形か、と世代ギャップを感じながらも観た。
特徴的なのは、タイトルでもあり、平岡が感じている、己の首に巻きつくロープ……これを、自分は“首吊り縄”をイメージし、平岡をじわじわと死に追い詰めるもの、と観たのだが、これが人との繋がりを現し、平岡の命を繋ぎとめるものになるとは予想外。
鑑賞後のティーチインで監督に質問したのだけど、監督からは「ロープは首も吊れるけれど、ザイルとして命を託すものにもなる」と言う答えがあり、ロープと言う道具の持つ、謂わば両面性に着目したもの、と知って得心がいった――なるほど、それは人間関係もまた同じかもしれない、と――
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