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2025年04月10日06:53

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エドワード・ゴーリーが愛する12の怪談 憑かれた鏡

を昨日読んだ。
 化夢宇留仁が前にホラー小説を読んだ感想で、小説で恐怖を感じたことがないと言ったところ、有識者Aさんから「八月の炎暑」を読むといいと教えてもらい、その短編が収録されている本はいくつかの選択肢があったのだが、今度は有識者Bさんが河出文庫版は作品ごとにエドワード・ゴーリーの素敵な挿絵がつくと教えてもらい、本書を購入することになった。
手取り足取り非常にありがたかった(笑)
さてはて化夢宇留仁初の恐怖を感じる小説に巡り会えるだろうか。

空家
A・ブラックウッド著/小山太一訳
 昔馬丁が女中を階段から投げ落として殺したという過去があり、今でも幽霊が出ると言われている屋敷を、叔母の頼みで2人で夜中に探索することになったショートハウス氏だったが・・・。

 2人が我慢強すぎて笑ってしまった。
化夢宇留仁だったら最初の誰のものともしれない咳の時点で逃げ出しているかもしれない(笑)。
いわんやまともに女の幽霊を1秒目撃したのちも探索を続け、更には同じ屋敷内で休憩をするなど、どれだけ心臓毛むくじゃらやねんと(笑)
ここまで来ると最後に2人が逃げ出すことになった怪異はそれくらいで逃げ出すとは意外とさえ思ってしまった(笑)
しかし全体的に雰囲気と臨場感はとてもよく、楽しめた。
いろいろな意味で(笑)

八月の炎暑
W・F・ハーヴィー著/宮本朋子訳
 8月20日。画家のジェイムズ・クレランス・ウォゼンクロフトは、自作のスケッチが思いのほかうまく描けたので、上機嫌で家を出た。
それは太った男が被告人席で判決を聞いて絶望している様子の絵だった。
暑さのせいか見知らぬ道に来てしまい、なんとなく立ち寄ったのは石碑職人の家だった。
庭で熱心に職人が仕事をしていたが、その職人の顔や姿はスケッチに描いた男そのものといってよかった・・・。

 不吉すぎる合致と誰でも共感できる暑さによる非現実感みたいなのが融合し、非常に雰囲気のいい怪談に仕上がっている。
オチの効き方も素晴らしく、ショートショートとしても一級品だと思う。
しかし残念ながら恐怖は全然感じなかった(笑)

信号手
C・ディケンズ著/柴田元幸訳
 私に「おーい!そこの人!」と呼びかけられた信号手は、なぜかこっちではなくトンネルの方を向いた。
信号手と親しくなって話を聞くと、彼は亡霊のようななにかから全く同じセリフで呼びかけられているような気がしており、これまでにその存在が目に入った直後に2回も大きな事故が発生していた。
気になった私は状況を改善できないかと頭を悩ますが・・・。

 孤独な信号手のもどかしく切ない立場とその怪異の異様さは興味深くて面白いのだが、語り手である「私」に違和感を感じすぎて化夢宇留仁はあまりノレなかった。
なにしろ「私」が何者なのか一切語られず、しかし理由もなく地下の鉄道信号手に興味を持って何度も訪れるって、幽霊以上にミステリアスすぎないだろうか(汗)?
「私」の立場など、ディテールがちゃんと語られていればこんな変なことにはならなかったのに。

豪州からの客
L・P・ハートリー著/小山太一訳
 乗合馬車の2階に乗っていた客は、降ってきた雨も気にせず、中途半端に上げた手を一切動かさない奇妙な男だった。
 キャリック・ストリートのホテルに久しぶりにやってきたランボールド氏は部屋でくつろいでいたが、奇妙な音が聞こえてきて・・・。

 なんだかよくわからん(汗)
あの歌やゲームの件はストーリーとどうつながるんだ(汗)?

十三本目の木
R・H・モールデン著/宮本朋子訳
 友人に招待され、16世紀に建てられた雰囲気のいい屋敷に滞在することになった「私」は、夜中に中庭にありえない風景と事件を目撃する。
話を聞いた今の屋敷の持ち主である友人は、その話を疑わず、2人で調査を開始することに。

 これもよくわからないけど魔女狩りという要素に展開、描写など、どれもラヴクラフトっぽい雰囲気があって面白かった。
しかしやっぱりよくわからなかった(汗)

死体泥棒
R・L・スティーヴンスン著/柴田元幸訳
 デベンナムの「ザ・ジョージ」に毎夜集まっている気のいい友人たちだったが、そのうちの1人の元医者の飲んだくれが、「ザ・ジョージ」に呼ばれた名医の名前を聞いて態度を豹変させる。
それは彼が解剖学教室の助手として働いていた頃の忌まわしい記憶によるものだった・・・。

 医学の進歩に伴って墓荒らしや殺人が横行するという当時ならではの風潮が興味深いが、作品としてはオチが全然ツボを突いていない感じでそれまでの雰囲気がよかった分肩透かしに感じた。
バラバラの上に全部処置済の姿だったらまだよかったかも(汗)?

大理石の軀(からだ)
E・ネズビット著/宮本朋子訳
 画家の「私」と物書きの妻「ローラ」は田舎のコテージを借り、幸せな時間を送っていた。
しかしある日身の回りの世話をしてもらうために雇っていた老婦人が突然辞めるといい出し、話を聞くと諸聖徒日をすぎれば戻ってきてもいいということだった。
というのも彼女は毎年諸聖徒日には教会の祭壇の脇に飾られている2体の甲冑姿の彫像、彼女が言うには「大理石の軀」が動き出すと信じていたのだ・・・。

 主人公の「私」の間抜けさが化夢宇留仁の我慢の限度を超えており、最後の悲劇も人災としか思えなかった(汗)

判事の家
B・ストーカー著/小山太一訳
 卒業試験に備え、マルコム・マルコムソンは静かな環境で勉強するために小さな町の古い家を借りた。
そこはかつての「判事」の家で、地元では呪われた家として有名だったが彼は気にしなかった。
やたらにネズミが多いのも気にしないマルコムだったが、他とは桁違いに巨大なネズミが椅子の上からこちらをにらんでいるのに気づき・・・。

 ネズミに取り憑いたなにか、というところがラブクラフトっぽいのと、後半はゴーストバスターズ2を思い出すテイスト。
しかしオチがなんだかしっくり来なかった。
そこまで来てそのオチ(汗)?

亡霊の影
T・フッド著/小山太一訳
 妹のレティの表情には、いつも暗く沈みこんだ色が現れていた。
というのも北極圏で行方不明になった探検隊の捜索に志願した許嫁の安否を気遣っていたのだ。
そして「私」は彼女の許嫁が描かれた肖像画に注意を惹かれていた。
そして不安は現実となり・・・。

 当時の北極探検の雰囲気や送り出した人々の考えなどにリアリティーがあって面白い。
オチはありきたりだが。

猿の手
W・W・ジェイコブズ著/柴田元幸訳
 レークスナム荘の小さな居間でチェスを楽しむホワイト家の父と息子だったが、息子にチェックメイトされてしまう。
そこに父の元部下であり友人でもあるモリス特務曹長がやっってきて、戦地の話などをするが、ホワイト氏はそれだけではなく奇妙な猿の手にまつわる話をするように言う。
モリスはポケットから猿の手を出し、それが3つの願いをな叶えるが災厄ももたらすというのだが、ホワイト氏は好奇心を抑えきれず・・・。

 ちょっと魔法のランプかジュマンジみたいな(笑)
そして後半はペットセメタリー(笑)?

夢の女
W・コリンズ著/柴田元幸訳
 ロンドンに戻るための乗合馬車がいっぱいだったので、ぱっとしない宿屋で安い一頭立てを探したところ、ちょうどいいのが見つかった。
しかし馬丁は昼だというのに寝ており、それが当たり前のようなのを不審に思って話を聞いてみると、その馬丁は過去に体験した出来事から夜は眠れないのだった・・・。

 一番やばいのは馬丁のお母さんかも(汗)
そしてオチがその通りなんだけど無責任すぎる(笑)

古代文字の秘法
M・R・ジェイムズ著/宮本朋子訳
 ◯◯学会事務局長は論文「錬金術の真実」を返却したが、著者のカーズウェルがしつこく食い下がるのに辟易していた。
しかし前にカーズウェルが出した本に大して糞味噌な書評を書いた人物が変死していることに気づき・・・。

 展開がミステリアスで面白い。
しかしホラーと言うよりサスペンスかも???

 ちうわけで粒選りの作品が収録された好著だった。
ゴーリーはアメリカ人なのにイギリスが舞台の小説ばかりなのは不思議だったが、そのヴィクトリア王朝時代の雰囲気はどの作品もしっかり味わえた。
 期待通りゴーリーのイラストもどれも素晴らしい。
サブタイトルの「憑かれた鏡」というのは本全体につけられたものだというのは意外だった。
 問題の小説での恐怖体験だが、やはり小説はどうしても人ごとの範疇から抜け出せないのでなかなか難しいと思う。
登場人物視点の描写に凝ったものならあるいは????
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