これは、逃走請け負い、所謂”逃がし屋”の天才ドライバーを主人公に描くカーアクション映画。
監督は「影の殺人」のパク・デミン。
釜山のスクラップ屋、ペッカン産業は、裏では通常送れないモノや人を配達する「特殊配送」の仕事を請け負っている。
ある日、ペク社長から、ペッカンのトップ逃走ドライバーのウナが任されたのは、海外逃亡を図る元プロ野球選手で賭博ブローカーのキム・ドゥシクとその息子ソウォンを港まで運び逃がすこと。
しかし、違法賭博の元締めで、警官のチョ・ギョンピルが部下を引き連れて現れ、ドゥシクは殺され、ウナは身寄りのないソウォンと300億ウォンが入った貸金庫の鍵を抱えて追われる羽目になる。
主人公、ウナを演じるのは「パラサイト 半地下の家族」のパク・ソダム。韓国女優では珍しい、瞼の重い一重瞼の冷めた目つきが印象的。「パラサイト」公開後、クールな存在感が注目されてオファーが殺到したものの、甲状腺がんを患って休業を強いられ、本作が初の単独主演作となる。
ソウォンを演じるのは「パラサイト 半地下の家族」の金持ちの息子役、チョン・ヒョンジュン。
映画は冒頭、釜山市街を爆走する大迫力且つあれこれと技巧と凝らしたカーチェイスで、観客を一気に引き込む。この一連のシーンは、さすがの出来で、これはもうハリウッドレベル……日本映画のカーアクションとは天地の差を見せる。
ただ、その後の展開は、子供を連れて悪徳警官から逃げ回る、と言うもので、これは何処かで観たような内容ではあるのだが、そこに、主人公のウナが脱北者、と言う設定を乗せて来るのが韓国映画ならではの部分だろうか?
冒頭で凄いカーチェイスを見せているが、その後も、クルマをあれこれ乗り換えながらの追走劇を見せ、最後は肉弾戦、と内容も見せ場もてんこ盛り、アクション映画としての面白さと完成度は非常に高いレベルにある。
難点を上げるとクライマックスの展開で、社長を死なせてしまったのは後味悪く、ウナがあのまま沈んでしまうなどあり得ないだけに、そこもちょっと引っ張り過ぎか……これをもっと小気味よく描いて締めてくれたらよかったのにな、と思うけれど、それはさすがに望み過ぎか。
これはアクション映画好きなら楽しめる事間違いなしの1本だと思う。
PS
これはよく出来た、面白い映画だが、平日夜、と言う事もあってか劇場には観客5人……やはり、韓国映画にはもう人は集まらないか……
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