先週末、金曜は休暇をとった。朝から、T−JOY横浜で、
「スペンサー」。
これは、「トワイライト」シリーズのクリステン・スチュワートがダイアナ元皇太子妃を演じる心理サスペンス。
監督は、「ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命」のパブロ・ラライン。
1991年、クリスマス。
ダイアナ妃とチャールズ皇太子の夫婦関係は冷え切っていた。王族はクリスマスをエリザベス女王の私邸サンドリンガム・ハウスで祝うのが慣わしなのだが、イブからの3日、チャールズと顔を合わせるのはダイアナにとって苦痛でしかなかった。
追い詰められたダイアナだが、彼女の故郷でもあるサンドリンガムで、今後の人生を決める一大決心をする事になる……
先日、ドキュメンタリー映画「プリンセス・ダイアナ」で、ダイアナ妃を見たばかりなので、比較すると、やはりクリステン・スチュアートは細いなぁ……また、顔立ちはあまり似ていない、と思うのだが、物憂げな表情やまなざしなど、この時期のダイアナ妃とイメージが重なる部分もあり、映画は違和感なく観られた。
それにしても、クリステン・スチュワートは、芝居をあまりせず、素の自分を出すのが多いのだけど、いくら何でも、プリンセスが「フ〇〇〇!」と悪態つかないでしょ、そこに地を出しちゃいかんだろ、と……
物語は、ダイアナが王室と決別する決断をするまでを描くのだが、そこに至る、追い詰められ、不安の不眠の中、幻想を見るに至る辺りで、物語は史実を離れ、サイコ・ホラーに近接して行く……ロマンティック・ホラーの「トワイライト」で売り出し、自身お気に入りの出演作は「パーソナル・ショッパー」だと言うクリステン、やはりホラー好きだなぁ……
それにしても、その決別を宣言する、狩場でのエピソード、この辺りは史実通りと言うから大変なもの。
ラストには解放感もあるが、その後の事を知るだけに、何とも言えない気分になった。
さらにもう1本、
「耳をすませば」。
これは、柊あおいが「りぼん」で連載していた同題の少女まんがを実写映画化……と言うか、これは、スタジオジブリによるアニメ映画版を実写映画化したものだろう。
出演は清野菜名と松坂桃李のW主演。中学生時代の二人には安原琉那と中川翼。監督は「ツナグ」や「約束のネバーランド」の平川雄一朗。
1988年、読書が大好きな中学生の月島雫が、チェロ奏者になりたいと言う夢を抱く少年、天沢聖司に出会い、ふたりは朝日に向かい結婚の約束をする――それから10年、児童書の編集者となった雫は、変わらず物語を書き続けていたが、未だ認められず、人生に悩み、思い余って、イタリアでチェロ奏者として活動する天沢聖司に会いに行くが……
この映画、アニメ映画版の実写化リメイク……ではあるのだが、設定は大きく改変。天沢聖司が取り組んでいるのは、バイオリンではなくチェロで、しかも作る方ではなく弾く方。それに「カントリーロード」も出て来ない――中学時代のエピソードは、ビジュアルだけでなく、場面や展開など、かなり忠実にアニメ版を再現しているのだが……
映画の中心は、10年後の2人が織り成すオリジナルストーリーが中心となる。まぁ、確かに、中学生時代を演じる安原琉那と中川翼の2人を、あの演出で2時間持たせるのは辛いか……
その新たな物語は、なかなか見せるものではあるのだが、残念なのは、現在の観客と物語を繋げる要素が弱い事……中学時代を、原作まんがや、アニメ映画から、1988年としたのはやむを得ない部分はあるとしても、これが21世紀の現代の映画である以上、現在の観客に繋げる工夫は必要だろう。むしろ、オリジナルパートは現在とし、あれから30年後、雫と聖司の子供による新たな「耳をすませば」を観たかったようにも思う。
あと、25歳の天沢を演じるには、松坂桃李はちょっと年嵩に感じる……だが、違和感があったのは、むしろ清野菜名で、撮影は2年以上前だから、ほぼ役年齢と同じ筈なのに、老けてるなぁ、と思ってしまった。
その後、ブルク13に移動し、
「ザ・コントラクター」。
これは、「スター・トレック」シリーズのクリス・パインが、元特殊部隊の請負人(コントラクター)を演じるアクション大作。
共演は、「最後の追跡」のベン・フォスター、「24」シリーズでおなじみのキーファー・サザーランド、「おみおくりの作法」のエディ・マーサン。
アメリカ陸軍特殊隊員ジェームスは、怪我を理由に除隊させられる。
ジェームズには借金もあり、家族を養うために、退役した元上官の紹介で、破格の報酬で民間軍事組織からの仕事を請け負う事になるが……
この映画、混沌とした現在の世界状況を反映したせいか、混沌と混乱、陰謀と裏切りの渦巻く物語となっている。
アクション映画なのに、相手を殺す事に躊躇するようなシーンが続く中盤の展開には、カタルシスを覚えようもない。
クリス・パインの抑えた演技に注目。あと、元上官が、ベン・フォスターでは、裏に何かある、と言ってるようなものではないか、と思ってしまったり。
次に、Kinoシネマみなとみらいで、
「キューリー夫人」。
これは、女性初、そして人類史上初めてノーベル賞を2度受賞した天才科学者キュリー夫人の半生を、実話をもとに描いたヒューマンドラマ。
キュリー夫人を「ゴーン・ガール」のロザムンド・パイク、夫ピエールを「マレフィセント」シリーズのサム・ライリー、監督を「ペルセポリス」のマルジャン・サトラピが務めた。
放射線元素を発見し、1903年にノーベル物理学賞、1911年にノーベル科学賞を受賞した輝かしい業績だけでなく、愛する夫との出会いと別れ、女性や移民であるため差別を受けたことなど、知られざる人生の“光と影”に焦点を当てて描く。
これも伝記映画だが、決して偉人伝ではない、キューリー夫人の姿を描くもの。
さすがに、ここまで偏屈で、干渉されるのを嫌う人物とは……でもまぁ、演じるのは「ゴーン・ガール」だものな、そこは説得力を出して演じてはいるのだが。
土曜は、日曜のCBR売却に向け、書類や部品を揃えたり準備した後、クルマを12ヶ月点検に出しに行った。
帰宅後の夜、ネットフリックスで、
「アテナ」。
これは、現代のフランスに燻る移民二世との格差と断絶が生み出す混乱を描いた、アクション・サスペンス。
パリ郊外、低収入の中東系移民が多いアテナ団地で中東系の少年が警官に殺された、として抗議のデモ隊が近くの警察署に押しかけた。
そのデモ隊の一部が暴徒化し、警察署に火を放ち、武器を強奪して団地に立て籠る。暴動を鎮圧しようとする警察との争いは、やがて市街戦の様相を見せ始め……
この映画、まるでフランス映画「レ・ミゼラブル」の続きのような映画――あれも、少年が殺され、住民と警察の間の緊張が高まり、住民側が実力行使に出るまでを、こちらは警官目線で描いていたが、これは、暴動が起きてから、を描くものなのだ。
映画モチーフは、「トロイ戦争」で、団地を城砦に見立て、その攻防戦の中、まるでギリシア悲劇のような物語が綴られるのだ。
それにしても、この映画、映像がすごい。特に、冒頭9分の長回しにはビックリだ。
だって、IMAXカメラを手持ちで撮影しているのだ――カメラ持って走る、クルマに乗る、カメラが車外に出る、何時の間にかバイクからの視点になってる、また車内に戻る……クルマを下りて、また走る――しかも、それをワンカットだ。
問題は、IMAXカメラが18kgもあり、レンタル料も100万円/日かかる、と言う事……カメラマンの高い身体能力も勿論、資金的にも日本では最早製作不可能な映画……だが、これが日本では劇場公開されない、と言うのはどうにかならないものか。
日曜は、CBRの売却の為、バイク屋へ……
買取額は、最終的に¥35万円になった……それにしても、1992年式、2006年に¥38万円で買ったバイクが¥35万円で売れた、と言うのには何だかなぁ、と思わなくもない。
その後、点検に出していたクルマを引き取って帰宅、クルマを家に置いて、桜木町へ。
ブルク13で、
「もっと超越した所へ」。
これは、劇団、月刊「根本宗子」を主宰する新進気鋭の劇作家・根本宗子が自らの同名舞台作品を映画脚本化したものを、山岸聖太監督が劇場映画化。
出演は、元AKB48不動のセンター・前田敦子、Sexy Zoneの菊池風磨。水谷豊と伊藤蘭の娘で「生きてるだけで、愛」の趣里、「子供はわかってあげない」の千葉雄大、「サマーフィルムにのって」の伊藤万理華、ロックバンド「OKAMOTO‘S」のドラマー、オカモトレイジ、「美人が婚活してみたら」の黒川芽以、三浦友和と山口百恵の息子、三浦貴大と個性派が幅広く揃った。
家に転がり込んできた中学の同級生だった怜人を成り行きで養ってしまう衣装デザイナー・真知子。意味不明なノリで生きるフリーター・泰造と暮らすショップ店員・美和。プライドばかり高い承認欲求の塊の俳優・慎太郎のお気に入り、風俗嬢・七瀬。父親の会社で働くボンボンで自己中心的なゲイの富と共同生活を送る元子役のタレント・鈴は、彼の世話をするだけで楽しそう。
それなりに幸せな日々を送っていた4組のカップルに「別れ」の危機が……
この映画だが、男4人が揃いも揃ってクズばかり……働かない、自己中、無責任、せめてもの救いは暴力をふるわないだけと、こりゃダメだろ、と思うが、そんなクズでも、菊池風磨や千葉雄大ならば、ペットとして可愛がってくれる訳か……つくづく、イケメンは得だ。
前半は、そんなクズ男を甘やかせる、少々うんざりするようなラブラブ展開を見せつけておいて、そこから時計の針を2年戻すと、4組がシャッフルされている、と言うオドロキの展開――七瀬を妊娠させたのが泰造で、怜人は美和のアパートに居候し、慎太郎は鈴と同居、真知子は冨に片想い中……そこで、愛想を尽かされたクズ男が放り出される展開となり、また別の女を捕まえて、女の方からしたら、またしてもクズ男をひっかけて、現在の状況に至る、と……そして、またしても修羅場となるのがひとつのクライマックスではあるのだが、これが実は起承転結で行けば「転」にも至らず、なのだ。
しかし、この修羅場で見せるブチ切れた前田敦子は凄い迫力だ。同様に喚き散らすのにしても、伊藤万理華が子犬が吠えてるくらいにしか思えない程。
そして、その後、あっと驚く方法で、物語をひっくり返す……この、ラスト5分の展開には唖然とするしかない。
びっくり。
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