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2022年10月12日00:11

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最近観た映画

 最近観た映画。

 先週木曜、仕事の後、TOHOシネマズららぽーと横浜で、
 「1950 鋼の第七中隊」

 これは、昨年、世界興行2位を記録した中国映画。「さらば、わが愛/覇王別姫」のチェン・カイコー、「ドラゴンゲート」のツイ・ハーク、「疾風スプリンター」のダンテ・ラムが共同で監督を務め、朝鮮戦争のターニングポイントとなった、1950年冬の長津湖の戦いを描く壮大なスケールで描いた戦争スペクタクル巨編。

 1950年。国共内戦後、人民志願軍・第9兵団第7中隊長の伍千里は、帰郷して兄の百里が戦死したことを家族に報告する。父母は悲嘆に暮れたが、19歳になった弟の万里は、自分も軍に志願すると言い出すのだった。
 しかし、激戦の続く朝鮮戦争において、1950年9月15日に仁川に上陸した米軍は、北朝鮮軍を押し込み中国との国境に迫った。そこに至って中国は朝鮮戦争に参戦する事を決意、伍千里の休暇は取り消され、再招集がかけられる。
 その軍の拠点で、千里は、弟の万里が無断で志願した事を知る。入隊を取り消そうとした千里だったが、万里は兵団長に直訴しており、渋々、自身の配下に万里を置く事にするが……

 この映画、中国軍大活躍のトーンで、お得意の人海戦術を再現した映像には迫力がある――何しろ、中国で製作費270億円。ハリウッドでも大作クラスの予算で、中国で撮影する訳だから、これは最早規模が違う出来。
 撮影には、人民軍から8万人のエキストラ動員した、と言う事で、中国お得意の人海戦術を大迫力で再現している。 
 ただ、全編デジタル撮影で、奇妙にエッジが立ち、鮮明過ぎる映像には違和感があったが……

 映画クライマックスは、長津湖の戦い――またしてもぼろぼろになりながらも勝利した第7中隊を描いて映画は終わる……ちょっと竜頭蛇尾にも感じたが、これは、まだ続編があるかららしい。
 ただ、本作の日本での興行成績は散々なもの(自分の観た回でも観客3人……)で、劇場公開されるかどうかは判らないが……

 しかし、ろくな防寒装備もなく、気温−30℃の北朝鮮山岳部の戦線に投入された中国軍兵士が戦闘配置に着いたまま、銃を構えたままで凍りついて銅像のようになっているのを見た米軍が、
 「我々は中国には勝てない」
 と撤退して行くのがクライマックスとは……


 金曜、109シネマズ湘南で、
 「僕が愛したすべての君へ」
 「君を愛したひとりの僕へ」。

 これは、並行世界を描き話題となった乙野四方字の同題ラブストーリーを、タツノコプロの50周年記念作として、新レーベルBAKKEN RECORD制作でアニメ化したもの。

 並行世界の存在が知られるようになった世界。
 高校生の高崎暦は、ある日クラスメイトの瀧川和音から親しげに声をかけられる。戸惑う暦だったが、和音は、「自分は並行世界から来て、この世界の和音と入れ替わった」と説明。向こうの世界では、暦と恋人関係にあった、と言うのだが……

 この2作、どちらを先に観るかで結末が変わる、とされている。
 そこで、「僕が愛したすべての君へ」から、2作続けて観賞したのだが……よくある、セカイ系の青春ラブストーリーか、と思っていたら、これがなかなか大したSFとなっていた。
 感心したのは、ラブストーリーの背景として世界を設定するのではなく、“並行世界”がある世界を設定し、その中で、人がどう生きるのかを描く、かなり本格的なSFで、これは思った以上に楽しめた。

 ただ、その一方で、これを映画、特にアニメとして観ると厳しいだろう。
 設定はしっかりしているし、近未来技術の描写も申し分ないが、肝心の人物が動かず、「これではアニメではなく朗読劇」と言う声には頷かざるを得ない。
 また、声の出演は、俳優中心だが、主役の宮沢氷魚がダメだ。感情を露わにする場面で、どうしても違和感が先に立ってしまう。
 自分は「アニメは声優を使うべき」信者ではないが、本作については、俳優起用のネガがモロに出てしまったように思う。

 あと、映画の構成だが、物語は巧く整理されていて、ダイジェスト感もなく、むしろ冗長に感じるくらい。
 これならば、整理すれば1本の映画にまとまりそうで、本作を企画した電通の露骨な仕掛けが気になってしまった。


 土曜、シネマジャック&ベティで、
 「愛してる!」。

 これは、3人の個性派監督を迎えた日活ロマンポルノ50周年記念プロジェクト「ROMAN PORNO NOW(ロマンポルノ・ナウ)」の第2弾
 白石晃士監督・脚本、谷口恒平の共同脚本で贈るコメディタッチのSM物語。

 ドキュメンタリーの密着取材中の、元女子プロレスラーで地下アイドルのミサは、SMラウンジ“H”のオーナーから、素質を見込まれ女王様としてスカウトされる。困惑するミサだったが、人気女王様・カノンとの出会いで、知らなかった快感に目覚めて……

 これはよかった。
 内容は、SM女王様との恋物語なのだけど、同テーマに「夕方のおともだち」があるとは言え、こちらはSMプレイの教科書的なハウツー部分もあって興味深かった。

 出演する女優はほぼ新人で、プレイ中のあえぎ声など、AVでの“本気”を見慣れているだけに演技が気になってしまった。
 ただ、カノン役の鳥之海凪紗は、”孤高の存在”としていい雰囲気を出していて、まるで、「響」の平手友梨奈のよう、と言ったらほめ過ぎかな?
 あと、高嶋政宏が本人役で出演しているが……これが主役を食いそうな勢いだった。 


 日曜は、ブルク13で、
 「バッドガイズ!」。

 これは、「ボス・ベイビー」などのヒット作を送り出してきたユニバーサル・スタジオ×ドリームワークス・アニメーションによるアニメ。
 監督は、「ボス・ベイビー」と同時上映された短編アニメ「ビルビー」を手がけたピエール・ペリフェル。

 天才的スリでカリスマ的リーダーのウルフ、金庫破りのスネーク、変装の達人のシャーク、怪力のピラニア、天才ハッカーのタランチュラの5人(5匹?)から成る怪盗集団バッドガイズは、“ワルをやるなら思いきり”を合言葉に、権力者や富豪たちから華麗なテクニックで財宝を奪ってきたが……

 これは、ドリームワークス・アニメーションらしく低年齢層向け、ではあるのだが、ところがなかなか面白い。
 伊達者の盗難集団リーダー、その逮捕にがむしゃらな警官、敵か味方か判別不能の謎の美女……ってキャラクター設定は、まるで「ルパン三世」。
 このエピソードで「ルパン三世」の新作を撮ってもまるで違和感のない感じだ。
 それを最初っから最後までノンストップのアクションの連打で楽しませる……これは予想以上に面白かった。


 月曜、ムービルで、
 「夜明けまでバス停で」。

 これは、「痛くない死に方」の高橋伴明監督が、ホームレス女性撲殺事件をモチーフに、コロナ禍が招いた貧困・社会的孤立を描いた社会派ドラマ。

 北林三知子は、別れた夫の借金返済の為、昼はアトリエで自作のアクセサリーを売り、夜は居酒屋に住み込みのパートとして働いていた。
 しかし、コロナ禍の影響で、居酒屋は休業となり、三知子は、人員整理の対象となって突如仕事と住処を失うことになり……

 主演は、板谷由夏。実際に居酒屋でバイトをし、ホームレスとなって街を彷徨う場面では絶食して撮影に臨むなど、果敢な役作りをした、と言う。
 また、三浦貴大や柄本佑と言う若手人気俳優が、本作では憎まれ役を演じているのも注目。

 これは、2020年に起きたホームレス女性撲殺事件を元にした映画なのだが――事件の背景を映画は丁寧に再現しながら物語を組み上げ、現実通りの最悪の結末を観客に思わせておいて、映画は、最後の3分でそれをひっくり返す。

 自分はテロリズムを容認したくはない。だが、弱者をないがしろにする日本社会において、社会を変える為、いや、不平不満を怒りに変えて権力者にぶつける、と言うのには共感してしまう。
 実際、そうして描かれるこの映画のエピローグには確かにカタルシスがあるのだ。
 これに賛否はあるだろう。
 だが、これは映画だ、やりきれない思いや、怒りをぶつけ、発散させる事が許されるものなのだ、これは表現としてはありだろうと思う――だが、現実に、山上がやらかした事件により、これを素直に「痛快!」と言えなくなってしまったのが残念でならない。


 その後、ブルク13で、
 「七人の秘書」。

 これは、秘書たちが、金や権力に溺れた権力者たちを一掃する姿を描くTVドラマ「七人の秘書」の劇場版。
 木村文乃、広瀬アリス、菜々緒、シム・ウンギョン、大島優子、室井滋、江口洋介といったTV版レギュラー陣の他、玉木宏、濱田岳、吉瀬美智子、笑福亭鶴瓶がゲスト出演。監督はTV版の演出を手がけた田村直己。

 信州でラーメン屋を営む緒方航一の依頼を受け、雪深き地に向かった七人。だがそこには国家を巻き込むほどの巨大な陰謀の影が渦巻いていた。

 これはダメだ。
 稚拙な物語、あまりにもご都合主義な展開、唐突で意味不明な場面転換……これは劇場映画のレベルに達していないのではないだろうか?
 久々に、途中で席を立って帰ろうか、と思ったくらい。
 しかも、出ているのが素人や無名の新人なら我慢も出来るが、出演者は邦画として豪華と言えるキャストなのだ、無駄遣い感覚が凄まじい。
 やめてくれぇ、こんなの作るのは……
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