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2021年12月30日08:27

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年末の映画

 先週観た映画から。

 まず、金曜、
 「私はいったい、何と闘っているのか」。

 これは、仕事や家族のために七転八倒する中年男性の日常を切り取ったつぶやきシローの同名著書を安田顕主演で映画化したもの。
 監督は「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」の李闘士男。

 伊澤春男、45歳。勤続25年のスーパーウメヤの主任として現場を仕切る立場だ。店長の「春男はこの店の司令塔」という言葉は嬉しいが、そろそろ店長の肩書きも欲しくなってきた。
 店長への昇進、店内のトラブル、娘の彼氏の存在……妄想と現実の狭間で喜んだり落ち込んだりの繰り返しの日々で、春男の脳内は今日も戦場と化している……

 これ、「何をやっても上手く行かない男の悪戦苦闘ぶりを描く人情喜劇」と言う事だが――45歳、大手スーパーの現場主任、美人の嫁と娘2人、庭付き一戸建て持ち……どう見ても、サラリーマンとしては人並み以上で、どの辺が「上手く行ってない」のか判らず、白けてしまう……原作のつぶやきシローの視点ではそうなのかも知れない。確かに、芸能人に比べりゃ、慎ましい暮らしだろうが、庶民としちゃ十分勝ち組の暮らしなんだよ、と思ってしまう。
 まぁ、確かに常にカッコをつけたがり、マウントをとりたがる春男が空回りしてズッコケる、と言うのは、これは誰しも経験があるだろう――人は誰しもマウント取りたがるものではあるし、身につまされるシーンもあるのだが、心中をモノローグで語る演出や、テンポが悪く、どうにも笑えなかった……そう言えば、つぶやきシローって、自分的には全然ウケなかったな、と、そこで気づいた。


 土曜日、
 「ただ悪より救いたまえ」。

 映画館はガラガラ……クリスマスに韓国映画など観るのは、反日か在日野郎だけ、と言うことか……

これは、「新しき世界」のファン・ジョンミンとイ・ジョンジェが7年ぶりに共演した韓国のバイオレンス・アクション。
 監督は、「チェイサー」などの脚本を手がけたホン・ウォンチャン。

 韓国の情報局員だったインナムは、政変により追われる立場となり、東京で殺し屋稼業をしていた。
 最後の仕事として、大物ヤクザを暗殺し、パナマへ高飛びしようとしたインナムに連絡が入る。
 かつて愛した女性がバンコクで殺され、インナムとの間に生まれた娘が誘拐されて行方不明だと知らされたインナムはバンコクに飛び、関わった者を次々と拷問にかけて娘の居所を突き止める。
 一方、インナムの最後の仕事だった大物ヤクザの弟で、殺し屋のレイは、兄の復讐を誓い、死体の山を築きながらインナムに迫っていた。
 そして、バンコクで遂に2人の男は出会い、壮絶な死闘の幕が上がる……

 この映画だが、要は殺し屋同士の対決。捕らえた相手の腹を裂くのが趣味のレイも性が悪いが、拷問相手の指や耳をニッパーで切り落としていくインナムも大概だ。
 東京やバンコクと言った、韓国にとっての異国の地を舞台に、そこならではの要素を魅力的に捉えるロケーションと撮影、テンポよくハードボイルドに進める展開、スタイリッシュな暴力描写など、活劇としては、よく出来ている。
 惜しいのは、オチがいささか弱く、画竜点睛と行かなかった事だろうか。


 日曜日、
 「レイジング・ファイア」。

 この映画、どうにも時間が合わず、日比谷まで行ったのだが……冬休みに入ったTOHOシネマズ、どの映画も混雑しており、ほぼ唯一、混雑マークのついていなかったのが、この映画だった。まぁ、冬休みに中国映画など観るのは、反日の非国民だけ、と言うことか……

 これは、「香港国際警察」のベニー・チャン監督の遺作となったアクション。
 出演は、「イップ・マン」シリーズのドニー・イェン、「香港国際警察」にも出演していたニコラス・ツェー。

 正義感溢れる香港警察のチョン警部が、何年も追い続けていた犯罪組織の首領のウォン。ついに、ウォンの薬物取引に踏み込む日がやって来る。ところが直前になって、チョンのチームは作戦から外されてしまう。
 そして、その作戦の最中、警察の動きを熟知した何者かが、ウォンの一味、そして警官隊を殺戮、薬物を奪っていった――やがて、捜査線上に、チョン警部の後輩で、彼を慕っていたンゴウと彼の元部下たちが浮かび上がる。
 4年前、ンゴウは捜査の行き過ぎで被疑者を殺してしまい、過失致死で有罪となっていた。その刑期を終え、釈放されたンゴウは、警察と、そしてチョン警部への復讐心を滾らせていたのだ――

 この映画、ドニー・イェン演じる警部と彼に恨みを持つ元刑事の対決と言う、敵味方のはっきりした構成で、ドニー・イェンの武闘アクションを見せる、と言う内容は、正に香港アクションとして定番の作り。そこは名監督ベニー・チャンならでは、と言う所。
 全盛期からはスピードは落ちたとは言え、相変わらず“魅せる”ドニー・イェンに、ケレン味を以て対峙するニコラス・ツェーのアクションは、見応え充分。香港映画ならではの、室内や入り組み雑然とした建造物内を移動しながら闘う、と言う香港映画ならではのアクションに加え、香港の目抜き通り「廣東道」での、通行人を盛大に巻き込みながらの凄まじいカーアクション&銃撃戦など、新しい取り組みも見物。

 気になったのは、「勤続30年」でありながら、家には「第一子誕生を控えた妻が待つ」と言う、ドニー・イェン演じるチョン警部の年齢設定……ハリウッドもそうだが、香港アクションスターの高齢化も問題だ。

 映画としては、香港映画の定番らしく、敵味方ははっきり分けるものの、どちらが善とも悪とも単純には割り切れない、と言う所に踏み込んでいるのも、現在の香港映画らしい所だろうか。
 警察と言う国家権力を背負った組織の中で、ひとりの人間が、どれだけ己を貫けるものか――国の正義、組織の都合……そんな“状況”において、立場が逆だったらどうなるのか……そんな事を考えさせられてしまう。
 それは、現在の香港映画の立ち位置を同時に考えさせられる。


 今週は、火曜に、
 「キングスマン:ファーストエージェント」。

 水曜は休暇を取って、
 「ドーナツキング」
 「ボストン市庁舎」
 「スウィート・シング」
 を観て来た。

 本日木曜は、大掃除してから午後、
 「偶然と想像」
 「整形水」
 を観る予定。

 木曜、大みそかは、
 「明け方の若者たち」。

 年内、ここまで、かな……
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