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2020年12月31日08:54

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冬休み3日目

 冬休み3日目。

 午前中は部屋の片付け……まずは、積み上がった本の整理なのだが、本の山の中から、ついつい気になる本が出て来て読みふけってしまったりして、なかなか進まない。
 でもまぁ、7号ダンボール1箱分くらいの本を処分する事にした。

 午後、シネマジャック&ベティで、映画2本。

 1本目は、
 「ホテルニュームーン」。

 これは、「孤独な惑星」の筒井武文が現代のテヘランを舞台に作り上げた日本・イラン合作映画。

 テヘランで大学に通うモナは、生まれる前に父を亡くし、教師をしている母ヌシンとふたりで暮らしをしている。
 ヌシンは一人娘であるモナに厳しい門限を課し、モナはそんな過保護な母親に辟易していた。
 ある日、モナは、ヌシンがホテルで見知らぬ日本人男性と会うのを目撃する。それをきっかけに、モナは自身の出生をめぐる母の話に疑念を抱いて……

 サスペンスを思わせる導入部から、主人公・モナの出生の謎に迫る、と見せて、実は、些細な事で行き違った母娘関係の修復と言う結末に至る竜頭蛇尾な物語はいささか薄味だし、そんな物語の原動力となる、ヌシンが日本での過去を語らない、と言う理由がどうにも判らない。判らないと言えば、モナが周囲に、何をやっているのか、何を考えているのかを頑なに説明しないのも理解に苦しむ。モナの彼氏も、当初は異常に嫉妬深いのか、と思ったが、モナが何も言わないのだから、そりゃ怒りたくもなるわなぁ、と同情さえしてしまった。

 映画としては、イラン人のスタッフにより撮影された、テヘランの市井の暮らしを活写した様子により、現代のイランの暮らしが垣間見えるのは興味深くはある――反面、日本側の描写はいささかステレオタイプで野暮ったいのだが――だが、これだけの手間暇かけて、映画にするのならば、もっと描く物語、語るべき内容があるのではないだろうか?
 丁寧に作られているのは判るだけに、ドラマの薄さが気になってしまった。

 映画の後、筒井武文監督のトークショーあり。
 本日の対談相手は何と“世界のクロサワ”、黒沢清監督だ。
 フォト
 まぁ、ジャック&ベティでは黒沢監督の「スパイの妻」を上映しているので、その舞台挨拶もあったのだろうとは思うけど、“世界のクロサワ”がこんな小さな小屋に来るんだぁ、とか思ってしまった。
 

 2本目は、
 「無頼」。
 これは、井筒和幸監督が「黄金を抱いて翔べ」以来8年ぶりにメガホンを取り、戦後日本を背景に、世間の外側を生き抜いてきたひとりのヤクザの生き様を描く物語。
 主演は、EXILEを卒業後、俳優としてキャリアを重ねる松本利夫。共演は、「純平、考え直せ」の柳ゆり菜。

 終戦後の混乱の中、商才に欠ける父が資産を食いつぶしたせいで貧しさのどん底にあった井藤正治は、少年時代から警察沙汰を繰り返し、やがて、刑務所の中で知り合ったヤクザ者に誘われるまま、ヤクザとなり、小さいながら組を構えるようになる。
 日本が戦後復興・高度経済成長を遂げる中、井藤は、組織抗争を繰り返しながら着実に大きくなり、そのシノギも、土地転がしから証券まで広がっていく……

 「仁義なき戦い」をきっかけに映画の世界に進んだと言う井筒和幸監督だが、これはヤクザ映画と言うよりも、終戦後から現在までの日本の戦後史を、井藤組の男たちの群像劇として描くものと言える。
 史実に基づき、そして時に実際あった事件も盛り込んで、フィクションとしての物語を構築しているのは面白いし、映画内に出て来るヤクザ映画「北陸代理戦争」を、当時のフィルムではなく、わざわざ再現しているのも手が込んでいる。
 また、クルマ好きならば、時代時代、その当時のクルマを数多く実際に走らせているのも注目だろう。

 主演の松本利夫は悪くない――ただ、昭和の田舎ヤクザならば、やはり髪はパンチパーマにするべきではないだろうか?その妻を演じた柳ゆり菜も同様なのだが、やはり顔つきに迫力が……こうして思うと、昭和の俳優の顔面力は力強かったなぁ、と思う。

 約50年にも及ぶ物語を、146分あるとは言え1本の映画にしたが故に、エピソードは全体的に駆け足となり、井筒監督ならではの熱の入ったシーンが観られないのが残念……主人公の正治も、決して筋の通った極道ではなく、道を踏み外しただけの人物に見え、ただ流されているように見えるのだ、
 最後、正治は、何もない子供たちが成功を掴もうとする姿に未来を見たいとしてアセアンのスラムに行くのだが、それが彼の原風景であり、心の拠り所であったとするならば、物語もそのように作るべきではないだろうか?
 確かに、現在、これを映画に出来るのは、井筒監督しかないだろう。でも、井筒監督には歴史ではなく、人間を描いて欲しかったように思う。

、帰宅後、すっかり使わなくなっていたEVERNOTEを解約。
 クラウドのファイル共有機能も、グーグルのクラウドサービス、「グーグルドライブ」の方が便利なもので、そっちばかりを使うようになり、何時しか使わなくなっていた……それで年契約¥3200は無駄だろう……流行のデジタル断捨離だな。
 あれこれ身軽にして行かないとなぁ……

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