土曜日は、午前中にかかりつけのクリニックに行き、その後、水槽の水替え。
今日は昼前には出掛け、久々に東京・新宿へ。
今日の1本目は、新宿バルト9で、
「ブルータル・ジャスティス」。
これは、メル・ギブソン主演のバイオレンス・アクション。
定年間近のベテラン刑事、ブレットとその相棒トニーは、麻薬の売人を逮捕する際、暴力的な拘束をした事を市民にSNSに投稿され、6週間の無給の停職処分を受ける。
ブレットは家族のために大金が必要だったため、ツテを頼って不穏な動きを始めた犯罪者の情報を得、その金を強奪すると言う、一攫千金の計画を立てる。
ブレットはトニーを誘い、ボーゲルマンという男のアジトの監視を始めるが……
メル・ギブソン演じるブレットは暴力刑事――まぁ、「リーサル・ウェポン」のメル・ギブソンですから、らしいと言えばらしいのだが、冒頭の逮捕劇で、密売人の頭を踏みつけて拘束し、その愛人の女性に冷水を浴びせかけて尋問(拷問?)する、と言うのは、警官による拘束死が社会問題となっている現在では、確かに許されるものではない。
これは、そんな暴力刑事が、停職中の裏稼業として、強盗犯から、そのあがりを掠め取ろう、と言うクライム・サスペンンスとなる。
やたらと確率を口にするブレット、何か不味い事に出会すと「シット(くそっ)」の代わりに「アンチョビ」と呟くトニーの刑事コンビはいい味を出しているし、脇役ですらないキャラの背景や日常を丁寧に描き、それを乱暴にブッた切る事で、強盗犯の暴力性を見せるものいい。凶悪な強盗犯と、暴力刑事と言う対立構図の中に、強盗犯の下働きとして使われ、仕事が終われば恐らく始末される黒人のチンピラを加え、三つ巴のサスペンスにする工夫も面白い。
その一方で、アクション映画の定番とも言える細かなカット割でテンポよく見せる事をせず、長回しでじっくり見せ、音楽も使わないのは、S・クレイグ・ザラー監督の反骨心か。
それでも、暴力刑事を主人公と思わせつつ、その実、勧善懲悪の意外な真っ当さを見せる終わり方と言い、これはなかなか一筋縄では行かない映画だと思う。
今日は、もう1本。2本目はシネマカリテで、
「ようこそ映画音響の世界へ」。
これは、映画の音響に焦点をあてたドキュメンタリー映画。
19世紀、トーマス・エジソンにより、「映像」と「音声」が、それぞれ記録され、再生出来るようになったけれど、映画は、その誕生から暫くは、映像だけのものだった。
1927年、初のトーキー映画「ジャズシンガー」が誕生。それ以降、映画音響は今もなお日々発展し続けている。
大きな偉業を残した「キング・コング」、「市民ケーン」、「鳥」、「ゴッドファーザー」といった往年の名作の数々、ステレオ音声を導入した「スタア誕生」、5.1chのサラウンド音響を導入した「地獄の黙示録」――映画音響に関わる創作と発見にまつわる貴重な体験談を、関係者が語って行く。
これは、トーキー以降の映画音響の歴史を語ると共に、音楽、効果音、音声の3つカテゴリーに映画音響の作業を分類。さらにそれを細分化して紐解いていく大労作。
トーキー初期の苦労から、ハリウッド黄金時代、映画量産の中で定型化する効果音……更に、電子音が常識的だったSF映画に、オリジナル性の高いリアルな効果音を創作した「スター・ウォーズ」。
「トップガン」では、実際のジェット戦闘機の排気音に迫力がない、と猛獣の咆哮を合成してある、などの裏話も興味深い。
数々の名作映画、そして、数多の名監督が登場するのには引き込まれる。
映画好きにして見れば、これはまるで宝箱のような映画。
しかも、音響スタッフの女性が、
「好きな事をして、みんなに楽しんで貰えて、そしてお金まで貰えるのだからまるで夢のよう」
と言う映画製作の魅力を語る一方で、それでも映画は仕事で、ちゃんと家族で夕食を囲む、自分の人生も重要だとも言う……そんな映画製作の裏の裏まで見せるこの映画、映画好きならば観て損のない1本だと思う。
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