日曜、映画2本。
1本目は、ブルク13で、
「ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー」。
これは、女優オリヴィア・ワイルドによる監督デビュー作。
出演は若手中心。主演となるビーニー・フェルドスタインは、俳優、ジョナ・ヒルの妹。高い演技力だけでなく、体型も似てしまっているようだ。
ハイスクールでは優等生で生徒会長を務め、卒業後は名門・イェール大への進学も決まっているモリー。親友は成績優秀な慈善家のエイミーで、2人揃ってガリ勉の堅物として校内では煙たがられていた。
だが、卒業式前日、遊び惚けていた同級生も名門大学への入学が決まっている事を知り、ショックを受ける。
モリーは、こうなったら卒業パーティーで、3年分を遊び倒してやる、と意気込むのだが、堅物の2人はパーティーに招待されておらず、会場が何処かも判らない。2人はあれこれ策を講じてパーティー会場を探し出し、乗り込もうとするのだが……
「ブックスマート」とは本からの知識で賢くなったように思う、と言う事で、日本語で言い換えれば「頭デッカチ」と言う所か……
地味な高校生がプロムに向けて一念発起、と言う青春映画は数多く、大抵は純情チェリーボーイが主人公だったりするのだけど、本作は、ガリ勉優等生の女子ふたりを主人公にしている、と言うのが珍しい……実際、青春映画全体に枠を広げても、主人公のタイプとしては珍しいキャラクターになるのではないだろうか?
学校は、富裕層の子女が通う、リベラル色の強い学校と言う設定で、生徒はみな私服だし、トイレは男女共用のジェンダー・ニュートラル、エイミーがレズビアンで同級女子の告白しようとしても、誰も驚かない、など、日本人的には自由奔放に過ぎるのでは、と思ってしまう。
あと、アメリカの高校生のパーティーと言うのは、どうにも理解出来ないなぁ……
ただ、モリーの「3年間損した、自分も遊んでおけばよかった!」と言うパーティー参加動機は、むしろ日本人には理解し易いのではないだろうか?――アメリカ人の感覚としては「他人はどうあれ、自分は自分」が普通だろう――そんなアメリカ人にも理解し易いように、モリーとエイミー、パーティーよりも片思いの相手への告白が本心だと言う理由もつけられているが。
オリヴィア・ワイルド監督、映画女優らしく、女優を綺麗に写している。特に、パーティー会場のプールの水中撮影は印象的だ。
物語は、前半、会場探しのドタバタコメディを見せ、パーティー会場ではお約束の失恋を描く。
最後、卒業式とその後がちょっとモタつく感があるものの、新たな出会いと別れを描いて感動的に締めくくると見せてひっくり返す辺り、最後までコメディセンスを見せる辺りは好印象。これは面白かった。
2本目は、
「グッバイ、リチャード!」。
これは、ジョニー・デップが余命半年の大学教授を演じた人間ドラマ。
博学でエレガント、芸術家の妻と美しい娘と暮らす大学教授のリチャードは、ある日、末期の肺がんである事を告知され、「治療して1年、しなければ半年」との余命を告げられる。
更に、娘はレズビアンである事をカミングアウト、妻には上司との不倫を告白され、それまでの日常は一変した。
死を前に怖いものなしになったリチャードは、残りの人生を自分のために謳歌しようと決心。妻子にも、あけすけな物言いをするようになり、大学の講義も好き放題。ルールや立場に縛られない生き方を始めるが……
ジョニー・デップの奔放なイメージを活かし、社会のルールやモラルから脱線することで、難病ものの物語に刺激を与えようとする試みは面白い。
ただ、この映画、妻の不倫を否定的に描き、フェミニストの女学生を批判し、蔑ろにするなど、いささか男性的かつ保守的な色合いが強いのが気になる所。
目前に迫った「死」を突きつけられなければ、妻子に向き合う事も、学生に真に「人生で大切なもの」を教える事も出来なかった主人公の姿には、人間性と人生と言うものについて考えさせられるが、そんな「大切なもの」を台詞で語るばかりの描写は、ちょっと凡庸にも思えてしまった。
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