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2020年06月08日00:25

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土曜は……

 土曜日は曇天。天気はこれから更に悪くなる、と言うので、映画三昧、と行こう。

 午前中にかかりつけのクリニックに行き、水槽の水替えを済ませ、出掛ける。
 家を出た後で、雨の予報だと言うのに傘を忘れた事に気づき、途中、寄り道してユニクロで折り畳み傘を買った――余分な出費だが、強風に強い、と言うユニクロの折り畳み傘、前から興味はあったので、まぁいいか、と割り切る。

 昼はみなとみらいのインド料理店。ここのランチバイキング、いいな。
 カレー4種に、タンドリーチキン、ライス2種とナン、そしてデザート2種が食べ放題で¥1280……バイキング形式なので待たずに食べられるのもいい、これからここ利用しよう……

 あと、昼食時、マスクのゴム紐が取れてしまった。でも、こんなのはフォークの先端で、マスクの端に穴を開けたらゴム紐通してコブ作って引っかければ直る。
 フォト
 ゴム紐がとれてしまうのは中国製だから、と文句を言う前に、この程度の機転も利かせられなかったら中国人に負けるぞ。

 さて。
 今日は、Kinoシネマみなとみらいで、映画3本。

 1本目は、
 「ポップスター」。
 これは、ナタリー・ポートマンが主演・製作総指揮を兼任した音楽ドラマ。
 監督は、「シークレット・オブ・モンスター」のブラディ・コーベット。

 中学のクラスメイトによる銃乱射事件で死の淵から生還したセレステ。姉と作った曲を追悼式で歌ったことをきっかけに、プロデビューしたセレステは、敏腕プロデューサーの力添えもあって、一躍スターダムへ上り詰めていく――18年後、かつてのトップシンガーのセレステが再起をかけるツアーの初日を前にして、またしても事件が起きる。銃による無差別殺人犯は、かつて、セレステがパフォーマンスの際に被っていた仮面をつけていたのだ……

 この映画、ラフィー・キャシディーがセレステを演じる少女時代に対し、ナタリー・ポートマンが登場する現在のパートの出来が酷い。まるで別の映画となってしまったようなちぐはぐさがあり、映画の描写としても納得出来ないものばかり。
 確かに、銃による無差別殺人事件の被害者だったトラウマを、信仰と姉妹愛で克服して歌姫に……と言う物語はドラマチックだが、後半になると何だか迷走気味になってしまう。むしろ、無差別テロ事件で、過去のトラウマが呼び覚まされて歌えなくなったセレステのカムバックを描いた方が、前半部とも対比としてもよかったような感じだ。
 少女時代の清純さも何処へやら、すっかり性悪となって、周囲に悪態とつき、酒と麻薬に逃避するセレステを延々と見せるのもどうかと思うし、これが最後のナタリー・ポートマン渾身のステージパフォーマンスを感動出来るものではなくしてしまっている。
 ブラディ・コーベット監督、「シークレット・オブ・モンスター」もその感があったが、人間を露悪的に描く事がアーティスティック、と言う変な勘違いをしているような気がしてならない。


 2本目は、
 「ルース・エドガー」。
 これは、17歳の黒人少年の知られざる内面に迫り、人間の謎めいた本質とアメリカの現実を抉り出すヒューマンドラマ。

 17歳の高校生ルース・エドガーは、学校を代表する文武両道の優等生。アフリカの戦火の国で生まれ、運転を覚える前に銃の撃ち方を覚えた彼は、ピーターとエイミーと言う白人夫婦の養子として育てられた。
 そんなルースが書いたレポートの内容から、彼が暴力的な過激思想に染まっているのではないかと黒人教師のウィルソンは疑念を抱く。それをきっかけに、ルースと養父母の間にも様々な軋轢が生じていくが……

 これは、黒人やアジア人と言うマイノリティが、未だ白人社会であるアメリカ社会に受入れられ、成功するには、社会が期待するステレオタイプのキャラクターを演じなければならない――と言う社会派テーマを描きつつ、その一方で、様々な人種と立場の違いが生み出すディスココミニュケーションと、その結果生み出される、疑念や猜疑心が絡むドラマを、サスペンスフルに描くエンターテイメントとしての一面も持っている。

 ケルヴィン・ハリソン・Jr.演じるルースは、正に絵に描いたような品行方正な黒人青年。だが、学校や養父母に見せる、そんな顔と別の一面を見せて行く後半には、サスペンスを超えてホラーに近いものを感じるほど。
 そして、そんな彼と対峙するウィルソン先生を、オクタヴィア・スペンサーが熱演し、この対決を盛り上げる。

 物事を判り易く描くのではなく、観客を当事者として巻き込み、そして真実は描かれる事がない――信じるのか、疑うのか……観客の判断と想像力に委ねる結末も、意地が悪いと言うべきだろうか。
 モンスターか、好青年か……だが、その疑問は、観客にも跳ね返って来る。
 社会から期待される仮面を被る事、それは決して「悪い事」ではない……そうして仮面を被り、期待された役割を演じて見せた事は、多かれ少なかれ誰にでもあるのではないだろうか。


 3本目まで少し時間があるので、ここで夕食。
 今日は久々にラーメン。一風堂の白。
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 3本目は、
 「ハリエット」。
 これは、奴隷制のある米南部より、北部の自由州で、黒人奴隷を70人以上脱出させ、“ミス・モーゼ”として知られるハリエット・タブマンの伝記映画。
 出演は、本作で昨年度アカデミー賞主演女優賞にノミネートされたシンシア・エリヴォ。

 1849年、アメリカ南部。ブローダス農場の奴隷ミンティは、幼い頃から過酷な労働を強いられ、虐待による脳障害でナルコレプシー症の睡眠障害に苦しめられ、姉妹は奴隷商人に売られてしまった。
 ある日、自由黒人であるミンティの夫が、弁護士に相談して、ミンティを奴隷から解放しようとするのだが、農場主はそれを拒否。それどころか、夫から引き離されて売りに出されそうになってしまい、ミンティは遂に脱走を決意する……
 
 映画は、彼女のナルコレプシー症候群による突然の睡眠を、「神の啓示」とし、それにより彼女が、幾度となく危機を脱し、偉業を成し遂げた、と描くのだが、これにはちょっと引っかかった。
 実際にはハリエットが命の危険を顧みずに南部に潜入、奴隷を連れ出し続けたのは、肌身で知る奴隷制への恐怖が、怒りとなって彼女を突き動かしたからだろうし、彼女の並外れた才覚が、進むべき道を拓き、人の心を動かしたからだろう。
 それを「神」の御技とするのは果たしてどうか、と……

 また、ハリエットを演じたシンシア・エリヴォは正に力演だが、その力を“神懸かり”とされた事で、いささか演技に“狂信的”と言える部分が出てしまっているのも気になってしまった。

 映画館を出たら激しい雨。
 やっぱり、傘を買っておいてよかった、と思ったのだけど、これは一時的なもので、家に帰る最寄り駅を降りた時には雨はもう止んでいた。 

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