先週の映画は……
まず、火曜日の1本目、
「オズランド」。
これは、熊本にある遊園地「グリーンランド」をモデルにした小説「オズの世界」を映画化したもの。
この物語、世間知らずの女の子が「仕事」と「人生」を見出す、と言う青春ドラマであり、遊園地のお仕事ムービーとしてもよく出来てる。
個人的に波瑠が好きなので、彼女がかわいく撮れているので、そこも文句なし。
(でも橋本愛の扱いには不満あり・・・この使い方じゃ勿体ない)
恋愛モノとしちゃ落第だけど、お仕事紹介系の青春映画としては、爽やかな仕上がりで上々の出来だろう。
そして、2本目は、
「殺る女」
これは、KARAのメンバーだった知英を主演に、国際色豊かなキャストが顔を揃えたバイオレンスアクションだが、駄作、観る価値なし・・・時間と金を無駄にしたぜ。
これ作者が全く社会と常識を知らない。マンガやアクション映画のカッコいい所を繋げば映画が出来る、と言う訳ではない。
登場人物が全員頓珍漢でやる事が常識外れ、そもそもこれが日本でリアリティがあるのか、と問いたい。
知英は確かにきれいでカッコよく撮れてる。でも、それだけ。
それに、武田梨奈を起用して、見せ場は濡れ場だけ。アクションシーンでは銃の引き金に指をかけるだけ、と言う使い方じゃ、「もったいないオバケ」が出るぞ。
オープニングとエンディングは「アニメ」とあるけど、絵が全く動かない「紙芝居」だ。
低予算、と言う制約は理解するけど、製作陣には映画作りのいろはからやり直して欲しい。
3本目、
「リベンジ」。
これは、フランスのバイオレンスアクション。
ジェニファーは、不倫関係にあるリッチな彼の豪華な別荘で休日を過ごしていた。だが、そこにリチャードの狩猟仲間が現れ、リチャードの不在中にジェニファーをレイプしてしまう。激怒するジェニファーの様子を見て、不倫が発覚する事を恐れたリチャードは彼女を崖から突き落とし、闇に葬ろうとするが……
こちらも荒唐無稽さにかけては無茶苦茶レベル。
ヒロインは崖から転落、立木に腹を貫かれるのだけど、そこから逆襲する、と言う驚きの展開……幻覚剤の助けを借りたとは言え、さすがにアレは医学的にあり得ない。しかも、人体破壊の様子をこれでもかと見せ、クライマックスの流血は悪ふざけ状態の園子温並み。
これを女性監督が作った、と言う事に驚くが、だからこそ、女性が受ける理不尽な扱いにはリアリティがあり、そんな男共をかたっぱしからやっつける描写に痛快さが生まれる。
フランス映画で、女性監督で、さぞかしお洒落な映画だろうと思っていたらこんなの見せられてはびっくりする人もいるのではないか。
水曜日、
「サーチ」。
これは、映画に映るもの全てがPC、もしくはスマホの画面に映ったもの、と言う描写が話題となって、今年のサンダンス映画祭で観客賞を受賞した話題作。
16歳の女子高生マーゴットが忽然と姿を消し、行方不明事件として捜査が始まる。
家出なのか、誘拐なのかわからないまま、時間だけが経過する中、父デビッドは、彼女のPCにログインしSNSにアクセスを試みる。だが、そこに映し出されたのは、いつも明るく活発だったはずのマーゴットとはまるで異なる、別人のような娘の姿だった……
この映画、その描写で話題となったのだが、面白いのは、ドラマがしっかりしていること。
Windows98の起動画面で時代を表し、家族の記憶をリピートするオープニングで家族をしっかり描き・・・その上で、娘の失踪に繋げる辺りがいい。
その後も、幾度もドンデン返しがあり、全く予測がつかない。
オチとしては、かなり外連味のあるものだけど、これも、二組の(そして対照的な)親子関係が生み出したものとなっていて、非常に巧妙な作り。
見た目だけでなく、中身もしっかり、そして最後にはほっとする、これは面白かった。
金曜は、会社を少し早めに上がり、1本目は、
「華氏119」。
これは、アポなし突撃取材でアメリカ社会に一石を投じ続けるマイケル・ムーアがトランプ大統領に切り込んだドキュメンタリー。
マイケル・ムーアは、トランプ当選の予測を的中させた数少ない人物のひとりであり、その慧眼を以て、現代アメリカの問題点を描き出して行く。
興味深いのは、この映画、決して宣伝で紹介されるような「トランプ批判」ではない。
その立脚点としては、マイケル・ムーアの故郷でもあるミシガンの都市、フリントの水道政策に焦点を当てた、弱者を救済しようとしない、歪んだ格差社会が生んだ政治の腐敗。
それは、弱者であり、かつ最大勢力である無党派層の意見が政治に反映されていない事が生み出した結果だ、と彼は言う。
大統領選でトランプに投票したのは6300万人、ヒラリーに投票したのは6600万人。そして、棄権した人1億人――つまり、最も支持者が少ない者が大統領選で勝利した。
これ自体、民主主義制度としては疑問が残るのだけど、そうして、少数に支持された人間が、その支持層向けの政策ばかりを行い、一般市民の望む政治が行われない、と言うのが問題だ、と指摘する。
この行き着く先は、先制独裁制……一部人間の為だけの政治を行う独裁国家の誕生だ。
ただ、さすがはアメリカと言うべきか、女性や若者、そうした無党派層に属する人たちが声を上げつつある、と言う事を紹介し、それを以て「希望」を描くのだが……振り返って我が国の状況を見るに、果たしてそんな動きが出来るのか、と空恐ろしくなったりもするのだった。
で、金曜2本目は、
「ビブリア古書店の事件手帳」。
これは、三上延による同名ミステリーを、「幼な子われらに生まれ」の三島有紀子監督が実写映画化したもの。
夏目漱石の「それから」に記されたサインと、太宰治の「晩年」の希少本に隠された謎をビブリア古書堂の店主・篠川栞子と店員の五浦大輔が解き明かすミステリー。
原作小説、普段はぼーっとしてるが、本の事になるとやたらと冴える栞子の推理を楽しむミステリーなのだが……この映画はその魅力を再現しているとは言い難い。
確かに、黒木華はさすがの役作りで、栞子に存在感を持たせてはいるのだが……過去パートと現代パートのかみ合いがいささか悪く、何とも歯がゆい感じでテンポが悪い。
また、クライマックスの真犯人判明、あれはかなり明白で栞子がそこに気づかないのが抜けているように思えてしまうし、クライマックスの追走劇は全く意味がない――倒れた本棚に潰された犯人を大輔が取り押さえれば、この事件、終了だったのに……
しかも、逃げたと行っても行き先なく、警察に駆け込むでもなく、自ら袋小路に入り込んでしまうと言う間抜けな描写では白ける。
この静かな物語にアクションシーンなど不要、と言う事くらい気づいて欲しかったものだが……
この週末は、本日土曜に、
「エンジェル 見えない恋人」
「スマホを落としただけなのに」
明日、日曜、
「ヴェノム」
「走れ!T高バスケット部」
「十年」
の予定で、チケット購入済み。
「宇宙戦艦ヤマト2202 回天篇」
は水曜に観よう、と思う。
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