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2026年09月22日09:12

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「劇場版 モノノ怪 第一章 唐傘」感想

 これは、2007年に放映されたTVアニメ「モノノ怪」より、退魔師でもある薬売りが、天子様の女の園・大奥に潜む“モノノ怪”を退治するのを描くアニメ映画シリーズの第一弾。
 監督は、TVシリーズを手掛けた中村健治。声の出演は、神谷浩史、黒沢ともよ、種��敦美、津田健次郎、榊原良子など。
 
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 大奥。そこは世を統べる天子様のお世継ぎを産むために各地から美女・才女たちが集められた女の園。その大奥に、ある日、新人女中のアサとカメが足を踏み入れる。ふたりは、大奥で信仰される御水様に「自分の大切なもの」を捧げて、大奥の一員となった。
 そんな大奥で、夜ごと唐傘がカラカラと回るような音に、取り憑かれたように理性を失う女中が出ていた……そこに、怪奇の気配を察した薬売りは、男子禁制の決め事をも破り、大奥に足を踏み入れるのだが……

 これは、和風テイストのファンタジー。時代的には江戸時代のようだが、異なる歴史を有するこの世界は、征夷大将軍が居らず、天皇が直接国を統治する江戸時代、と理解した。
 特徴的なのは何と言ってもそのビジュアルで、このアニメはまるで和紙のようなテクシュチュアの上に描かれ、その色彩はトーンを抑えたパステルカラーではあるが、色使いとしては華やかな極彩色……言うなれば、パステルカラーの錦絵、それがアニメで動くのだ。これは、他に例を見ないもので、正に本作の最大の特色、それがこのビジュアルだろう。

 物語としては、退魔師でもある主人公の“薬売り”が、“退魔の剣”で、人々に害成す妖怪変化である“モノノ怪”を斬り伏せる、と言うものだが、この“退魔の剣”、「形・真・理」の三様が揃わなければ、封印を解けず、抜くことが出来ないのだ――「形」、その目で見て、「真」、その正体を知り、「理」となる、何故、“もの”に“怪”が取り憑いて“モノノ怪”となったのかを知らなければ斬る事は出来ない――これが、単なるアクションではなく、謎解きのミステリー要素を持たせているのも魅力のひとつ。そして、物語は、大奥ならではの、天子様の寵愛を得る為、そして、お世継ぎの生母となる為の、権謀策術と情念の世界に踏み込んで行くのだ。
 また、“モノノ怪”の正体は、おどろおどろしい、と言うより幾何学的な形態(まるで、「ヱヴァンゲリヲン」の使徒のようでもある)で、その登場に至っても、画面は極彩色のまま、暗くもならず、妖怪が登場するのに“怖さ”を出さないのも特徴だ。

 本作はシリーズ化されるようで、まずはこれが劇場版としては顔見世の導入編……この先、大奥の最深部、御水様信仰にまで踏み込んで行く続編に期待したい。

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