〜「新感染 ファイナル・エクスプレス」のヨン・サンホ監督が2018年に発表した自身初のグラフィックノベルを映画化したサスペンスミステリー〜
〜生まれつき目が見えないハンデを乗り越え、著名な篆刻家(てんこくか)となったイム・ヨンギュ。息子のドンファンは偉大な父を敬い、事業を陰ながら支えていた。そんなドンファンに、警察から40年前に消息不明になった母チョン・ヨンヒの遺体が地中深くから発見されたとの知らせが届く。ヨンヒは何者かに殺された可能性があるという。あるドキュメンタリー番組のプロデューサーの提案で、ドンファンは母の死の真相を探り始める。調査を進める中で、ドンファンはヨンヒが「醜い顔」をしていたという証言を次々と耳にし、ショックに打ちひしがれる。やがて、ドンファンは母の死をめぐるある事実に直面する〜<映画.comさんより>
予告編が衝撃的で、どうにも気になり観賞。
40年前に消息不明になっていた母親チョン・ヨンヒの遺体が発見されたと連絡を受けたドンファン。
骨となってしまった母親との対面。
母親がいなくなってしまったのは、ドンファンがまだ赤ちゃんの頃だったので、顔は全く覚えていない。
家には母親の写真が一枚もなく、遺影は白紙!
警察で、母親は殺された可能性があると聞いて、ドンファンは、たまたま父親のドキュメンタリー番組を撮影しに来ていたプロデューサーと母親の死の真相を探っていくことに。
母親がかつて働いていた縫製工場の人たちは、40年経ってるというのに、今でも嘲笑まじりに「(ヨンヒは)顔が醜かった」と話す。
盲目のヨンギュとの出会い、そして結婚。
怖かったのは、当時、誰一人として「醜い」と言われていたヨンヒを擁護してくれる人がいなかったこと。
集合体ならではの、同調圧力があったとしても、こっそりとでも「私はあなたの味方よ」と言ってくれる人間すらいない。
実は、ヨンヒが孤立していたのは、顔のせいだけではなかった。
ある時、工場で共に働く女性従業員が工場の社長から性暴力を受ける。
それを知ったヨンヒは、社長の行為を暴露するビラをまいて、女性に寄り添おうとする。
だが、まさに、その行為こそが、彼女を孤立させることになってしまっていたのだ。
工場近くでハンコ売りを始めたヨンギュ。声をかけてきたヨンヒ。仲良くなっていく2人。
ヨンヒが「醜い」と見えている男たちは、ヨンギュに「あんな美人はいない。早く結婚してしまえ」等とけしかけます。
社長の皮肉が酷くて「(美人だから)夜が待ちきれないなあ。お前はずっと夜だからいいな」
ヨンギュは「そんなに美人ならば!」とヨンヒと結婚。
そのまま、ヨンギュがヨンヒの容姿のことを知らなければ、家族3人、幸せで暮らせていたことだろう。
だが、ヨンギュは知ってしまうのである。
それでも・・・と観客は思う。
もともとは、ヨンギュは、ヨンヒの人柄を好いていたはず。
だったら「顔」のことを周囲がどう言おうと、聞く耳もたずの姿勢でいればいいだけ。
だが、ヨンギュはそうではなかった。自分はバカにされたのだと思った。
盲目というだけで、世間から’下’に見られていたヨンギュが、醜い顔の妻を持ったことで、更に自分は笑い者になっていると確信してしまったのだ。
その怒りの矛先は、ヨンヒに向かっていた。。。
※予告編
https://youtu.be/_nidDVJIpFc?si=1gabf1MQhvq0cbwA
真実を知ったドンファン。すでに時効となっている事件。さあ、どうする?
プロデューサーを絡めてきた理由が序盤はしっかり掴めなかった。
だが後半、その理由がジワジワわかってきます。
プロデューサーは、この親子(家族)を第3者的に見ている立場。
プロデューサー「(ドンファンに)お父さんに似てる」
終盤のこの台詞がなんとも言えない重みを作品に落としてくる。
最後の最後、なんとヨンヒの「顔」が出てきます。
(ヨンギュの写真もヨンヒの写真も、どちらも撮影したのは工場の社長だったっていうのが何気に上手い)
最後の最後まで、観客の想像にまかせて「顔」は出さないだろうと思っていたので、これにはビックリ。
そして、その「顔」は・・・えっ?
もしかして超美人かもしれないし、エレファントマンかもしれないと思っていた私。
実は、そのどちらでもなかったという。これは観てもらわないと共感してもらえないと思うんですが〜。
総評:犯人の正体にビックリ!ある意味、さすが韓国映画だ、とも。
プロデューサーの人物像にもうちょっと肉付けがあってもよかったかなと。
その時代ならではの閉鎖性だったと思うが、現代でも、集合体による圧力、噂があたかも真実のように伝わっていく怖さは変わってない気がする。
なかなか鋭い佳作。気になった方は是非。3.7☆
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