これは、「SUPER8/スーパーエイト」のJ.J.エイブラムスが製作を務め、「アンダー・ザ・シルバーレイク」のデヴィッド・ロバート・ミッチェルが監督したSFサバイバル映画。
出演は、最近出演作公開が相次ぐアン・ハサウェイにユアン・マクレガー。
1982年7月。郊外の住宅街・オークストリートに家族4人で暮らすプラット家の夫婦関係は崩壊しつつあった。夫のグレッグは失業をひた隠しにし、妻のデニスは信頼出来ない夫を捨てて家を出ようと心に決め、オードリーとブライアンの姉弟は何も出来ずに不安を募らせるばかり……そんなある夜、“異変”が起こる――強烈な閃光の後、電気も水道も不通となってしまった。
翌朝、様子を見に出かけたグレッグとデニスは更なる異変に直面する……街の周辺は原生林と沼地になっており、外には出られそうになく、更に巨大な生物が現れた――恐竜だ!
この映画だが、目立つのはスピルバーグ映画へのオマージュだ。1982年、と言う時代設定は正に「E.T.」だし、恐竜相手のサバイバル・アクションとなれば、これはもう「ジュラシック・パーク」だろう。他にも「未知との遭遇」、「ジョーズ」など、映画に詳しい人ならば、多くの類似点を見つける事が出来るだろう。
また、デヴィッド・ロバート・ミッチェル監督は、オマージュだけでなくスピルバーグ的演出をものにしており、序盤、恐竜が登場するまでの演出と言ったら、小憎らしいまでに上手い……そこに加え、静かに迫るティタノボア(巨大蛇)など、オリジナルな持ち味も見せてくれるのだ。とにかく、この映画、映画的な、と言うか映像演出については非常によく出来ており、確かに面白い。アクション&サスペンス好きなら、かなり満足度は高いだろう、と思う。
気になったのは、これもまたデヴィッド・ロバート・ミッチェル監督らしい所なのだが、登場人物の行動や展開に納得出来ない事が散見される――例えば、恐竜に怯えていたブライアンが、愛犬のスターバックの姿を見たから、とひとり外へ飛び出して行くのには「おいおい」と思ったし、そう言う時には恐竜が襲って来ないなど、その後の展開の為の行動に見えて白けてしまった。
また、オークストリートの街ごと中生代にすっ飛ばされた、その理由として“ワームホール”を出し、しかもそれでみんな納得したように行動するなど、肝心な所が説明不足なのもSFとしては致命的な欠陥、と思う。
ラストは一見、綺麗に収めたように見える――元の1982年に戻り、家族揃っての大団円……ネタバレでもあるので、終盤の展開を詳しくは書かないが、そこでグレッグのみを救った、と言う事は、他の3人を犠牲にした、と言う事でもある。このデニスの判断に気づいた時には、ちょっと背筋が寒くなった。
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