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2026年09月02日22:21

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『八月の声を運ぶ男』感想

〜長崎に暮らし日本全国を渡り歩いて被爆者の声を集め続けたジャーナリスト・伊藤明彦の実話をもとに、原爆によってもたらされた数奇な出会いの物語を描いたヒューマンドラマ。2025年8月にNHKで放送され、第34回橋田賞をはじめ数々の賞に輝いたテレビドラマを、未公開シーンを追加し登場人物たちの内面をより深く掘り下げた映画版として公開する〜
〜高度経済成長を遂げた1972年の日本。誰もが豊かさを追い求めるなか、その時代の流れに逆らうように、長崎の放送局出身のジャーナリスト・辻原保は被爆者の声を集めはじめる。当時はまだ原爆の記憶はあまりにも生々しく、その悲惨な体験を語ろうとする者は少なかった。そんな時代における被爆者体験の記録は、周囲から理解されない孤独で過酷な作業だった。ある日、辻原は被爆者の九野和平と運命的な出会いを果たす。九野が語る“声”に心を激しく揺さぶられる辻原だったが、その“声”は多くの謎に満ちていた〜<映画.comさんより>

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普段からテレビドラマはあまり見ないもので、今作のテレビドラマ版、見逃してしまっていました。
こんなことをやられていた方がいらっしゃったんですね。
始まってしばらくして、人々の歩く流れに逆らって歩いている辻原。
このシーンだけで、今作は、見応えありだなと手ごたえ。

余談ですが、オープンリールの話。
私、高校時代演劇部で、音響担当だったことがあり、オープンリールを触っていました。確か、かなり重かったかと。
声を集めるために、オープンリールを持ち歩き、全国を回るって、どれだけ大変だったことか。
相当な信念がないと、できることではありません。

悲惨な体験を話すことを拒む人が多い中、九野は違った。
まず、九野という人物が紹介されるところから、それまでの被爆者とはどこか違う雰囲気が漂う。
彼が患っている病の数。ありえないほど多種多様な薬。絶句するほどの闇。
原爆がもたらした被害の凄まじさに寒気が走る。
だが、九野は雄弁だった。しゃべる、しゃべる。もっと聞いてほしい。もっと語りたい。

だが、辻原はあるきっかけから九野の話に疑問を抱くようになる。
幼かった自分を看病してくれたという姉。だが姉の名前を聴くと、九野ははぐらかすのだった。

※予告編
https://youtu.be/Ookn7jE7how?si=LhCfn3J3d0xuUlxC

本木雅弘の辻原は手堅い。抑えた演技で作品の底辺をしっかり固めていた。
凄いのが、九野役の阿部サダヲ!
この人の出演作は数本観ているが、どれも阿部サダヲじゃなければ作品が成り立たないと思われるほど、猛烈な役作りでいつも強烈な印象を残す。
今作もこの人が出ていなかったら、薄味で無難な作品に収まっていた気がする。

エンドロールに木野花の名前があったものの、劇中、見た記憶がない。
調べてみると・・・なるほど、そういうことか。

九野の体験談の謎ですが・・・。
ちょっとネタバレになるかもですが、それは『エレノアってグレイト。』でした。わかる人にはわかるはず。

映画化にあたって追加されたシーンって、いろんな鳥の名前をあげていくとこもそうかしら?

総評:とにもかくにも阿部サダヲ!凄すぎる&上手すぎる。
カーテンの揺れだったり、’姉’の見せ方だったり、繊細な演出は好みでした。
風船の色、どうしてあの色にしたのか気になるわ。
ミステリアスな雰囲気も漂わせて、観客の集中を切らせない。良作。3.5☆
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