〜パリのランドマーク「新凱旋門」誕生の舞台裏で国家プロジェクトに翻弄された建築家の数奇な運命を、実話をもとに描いたヒューマンドラマ。ジャーナリストのロランス・コセによる著書「新凱旋門物語 ラ・グランダルシュ」を原作に、「ブレスレット 鏡の中の私」のステファン・ドゥムースティエが監督・脚本を手がけた〜
〜1983年。ミッテランは大統領就任後初の大規模プロジェクトとして、フランス革命200周年を祝う新モニュメントの建設を構想していた。国際設計コンペで選ばれたのは、キューブのように角張ったアーチ型の建物と、そのふもとに雲のような屋根が浮かぶ大胆なプランで、設計者はヨハン・オットー・フォン・スプレッケルセンという無名のデンマーク人建築家だった。スプレッケルセンはフランスで一躍時の人となるが、完璧を追い求める彼の前に、予算や政治的圧力、周囲の思惑が次々と立ちはだかる〜<映画.comさんより>
恥ずかしながら「新凱旋門(グランダルシュ)」を知りませんでした。
2023年の3月、息子と駆け足でパリを観光しましたが、その時も存在は知らず。
それはさておき、今作はかなり楽しみにしていました。
監督引退宣言をしたグザヴィエ・ドランと『落下の解剖学』で時の人となったスワン・アルローの共演!
感想は一言でいうと・・・「淡々とした’プロジェクトX’」かな。
’淡々と’は、悪い意味ではないです、念のため。
冒頭は、とぼけた感じが、面白かったな。
コンペで選ばれたのはデンマーク人の建築家。
大統領は直接お祝いを言いたいのだが、申し込み書類には住所しか書かれていない。
デンマーク大使館に電話をかけてみても、誰も知らないっていう。
国家プロジェクトなのに、この始まりって・・・(笑)
オットーが設計したのは、キューブ状の巨大建築。
プロジェクトが始まると、様々なところで問題が発生する。
とりわけ大きな問題だったのが、ガラスと大理石。
ガラスを接着するシリコンは、フランスでは使用禁止だった。
また大理石は・・・これはご覧になって下さい。
オットーがイタリアに大理石を見に行くシーンがあるんですが、その切り崩しシーンに感動してしまった私。
大統領は「バラ色になる大理石がいい」と言っていた。
オットーは、まさに、その大理石を見つけることができた!それなのに、それなのに。
オットーの半端なきこだわりがわかるシーン。
オットーはアンドリュー(共にプロジェクトに挑んでいる建築家)から「柱の曲線を変える」という連絡を受ける。
アンドリュー「地下にあるから誰にも見えない」
オットー「神には見える」
うっひゃ〜。いやあ、これ、どっちにも共感しちゃったよ。
※予告編
https://youtu.be/3t2fGj_fOBM
オットー役のクレス・バングは『ザ・スクエア 思いやりの聖域』を観ていたけど、私はあの作品自体が苦手だったから、俳優陣の印象が残っていない。
でも、今作では、困った表情&苦悩する表情がとても良かった。
(これが決め手でキャスティングされたのかもね)
ドランは監督の才能も凄いけど、俳優としても、独特の雰囲気があって、いいわ〜。
スワン・アルローは、やっぱりカッコいい。これからもいろんな役が観たい。
オットーは理想を貫きたいものの、そこには常に予算や工期の問題がある。
妥協が必要なことも、わかるのだが・・・。
(オットーはこのプロジェクト前にやり遂げた仕事は、自宅と教会だけだったから、妥協の経験があまりなかったことが一因?)
終盤はとんでもなく切ない展開に。ちょっと、あれは、哀しすぎる。
ふと思い出したのが冒頭クレジット。
「19○○年から19○○年に掛けての出来事を元にした実話」に続いて「妻の役割と生活は創作である」と出てきていた。
つまり、オットーのあの決断は、実際は妻のためではなかったっていうこと?
最後の雨のシーンが観ていて辛かった。
総評:もっと、あちこちで心が揺さぶらるかと思いましたが、結構、ビジネスライク的な流れだったかな。
ただ、プロジェクトXは嫌いじゃないし、理想と現実、どこで折り合いをつけるか等、まずまず面白かったです。3.6☆
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