週末の映画はなかなか見応えがあったです。
とりあえずは、ざっと印象など。
「カリギュラ 究極版」
これは、ペントハウス誌の創設者ボブ・グッチョーネが製作し、過激な性描写で物議を醸した1980年の「カリギュラ」を、発掘された未公開映像を用いて再編集したもの。
“暴君”と名高い第三代ローマ皇帝カリギュラの姿を通じて、権力の腐敗を描く歴史大作となる。
この映画、主演が「時計じかけのオレンジ」のマルコム・マクダウェル、共演に「クィーン」のヘレン・ミレン、「アラビアのロレンス」のピーター・オトゥールと、結構な豪華キャスト……サブヒロインには、マリア・シュナンダーが当初キャストされ、マルコム・マクダウェルは、「ラスト・タンゴ・イン・パリ」を観て、彼女と共演出来るなら、とオファーを受けたのだ、と言う。
そんな背景の方が面白い映画だけど、この映画、かつて観た1980年の日本公開版よりも、ちゃんと歴史ドラマになっていた。
今回のは、公開当時問題となったポルノシーンを省き、オリジナル脚本を手掛けたティント・ブラス版に近づけたせいでもあるのだろう。確かにポルノフィルム的な要素も強いが、過激さは今となっては衝撃を受ける程のものでもない。
しかし、これも長い……はらが以前観た日本公開版も158分あったが、今回のは、それから更に20分長い178分だから……
「PROJECT Y」
これは、韓流ドラマ「わかっていても」でブレイクしたハン・ソヒと「バーニング 劇場版」のチョン・ジョンソのW主演によるクライム・サスペンス。
監督は、かつて「息もできない」などに出演し、近年「大人たちには分からない」など監督として活動するイ・ファン。
ソウルの歓楽街・江南で、ミソンは、昼はフラワーショップで働き、夜は高級クラブで男たちを接客。家族のように育ったドギョンは、白タク運転手、そして“運び屋”として金を稼いでいた。
だが、そうして、この状況から抜け出す為の資金を貯めていたふたりだが、目標達成を目前に、トラブルですべてを失ってしまう。底辺の生活に逆戻りしたふたりは、ある噂を耳にする――ミソンの働く高級クラブのオーナーの仕掛けで、ふたりは金を失ったのだ。そして、そのオーナーが、そうして稼いだ7億ウォンの大金を、隠匿している、とも――そして、ふたりは、危険な大勝負に乗り出すのだが……
これ、主演2人は凄くいい、彼女らをちゃんと見せて、活躍させるのも出来てる。
ただ、仕掛けはちゃんとあるのに活かせていない脚本はどうしたもんだか……
「MARCY/マーシー AI裁判」
これは、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズのクリス・プラット主演のリアルタイムリミット型アクションスリラー。
監督は「Search/サーチ」のティムール・ベクマンベトフ。
治安統制のためにAIが司法を担う近未来。LA市警刑事のレイヴンが目を覚ますと、妻殺しの容疑で〈マーシー裁判所〉に拘束されていた。彼が覚えているのは事件前の断片的な記憶のみ。無実を証明するには、自ら世界中のデータベースから証拠を集め、自身の“有罪率”を規定値まで下げなくてはならない。制限時間は90分、過ぎれば即処刑となる。果たしてレイヴンは証拠を集められるのか……
これ、サスペンスとミステリーとしちゃ、すごくよく出来ている。ほとんどリアルタイムの推理劇で、膨大な情報量を、怒涛の如くブチ込んで来るので、それに溺れそうになりながら、「どうする?」、「どうする?」となるサスペンスに息もつけない。
だが、肝心の「AI裁判」が、あまりに現実的でなく、それを「守ろう」と全く思えないので、どうにも白けてしまう・・・残念。
「恋愛裁判」
これは、「淵に立つ」の深田晃司監督が実際の裁判から着想を得て、元・日向坂46の齊藤京子主演で撮り上げたヒューマンドラマ。
共演は、倉悠貴、唐田えりか、それに人気声優の津田健次郎。
契約書に記載された“恋愛禁止”ルールに反する行動をしたとして、所属事務所から契約違反と訴えられ裁判へと発展した女性アイドルの姿を描く。
週末の映画で、これが一番面白かった!
主演は、元・日向坂46の斎藤京子……つまり、本物アイドル(だった)。
共演者も、別グループで活動するアイドルや、歌手であり、彼女らが歌うアイドルソングも、この映画の為に作られたオリジナル。
そのステージには、彼女らのファンクラブが動員され、応援パフォーマンスまで本物、なのだ。
好感が持てるのは、事務所や、マネジャー含め、誰も悪人がいない、でも、その中で、個人の「恋愛禁止」を、契約書で縛ってしまう、と言う異常な事が起きてしまう、と言うのが、この映画の中核となるのだ。
映画製作には、フランスの映画会社も関係し、本作は当初より海外セールスを意識しており、カンヌでも評判となった、と言うが・・・これは正に日本社会の特異性を社会に見せる1本、と言えるのではないだろうか。
そして、映画は痛烈なオチをつける。後日談で明かされる、元メンバーの「あたしは恋愛してたよ。同棲もしていた」と言う告白。
「相手も女性だからさ。契約書に書いてあるのは『異性との恋愛』だから、契約違反じゃない」
これは、日本社会のDEI対応の遅れを射抜く、痛烈な描写と思った。
あと、これまた痛烈だったのが、マネジャー役に起用された唐田えりか。裁判の場で、
「恋愛禁止は当然だと思います」
と、例え台詞でも、彼女にそれを言わせるのか……
これは、深田晃司監督らしからぬ東宝配給のメジャー映画だけど、相変わらず尖った事をやってるなぁ……
……何れも、感想、ちゃんと書きたい、でも書いてる時間がない。(爆)
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