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2026年01月20日21:21

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「アグリーシスター 可愛いあの娘は醜いわたし」感想

 これは、「シンデレラ」を異なる観点から描く北欧発のボディホラー。
 主演は、モデルとしても活躍するリア・マイレン。監督は、本作が長編デビュー作のエミリア・ブリックフェルト。

 スウェランディア王国のユリアン王子はエルヴィラの憧れの人、王子の詩集を片時も手放す事がないほどだった。
 そんなエルヴィラは、母・レベッカの再婚で妹のアルマと共にスウェランディア王国にやって来た。
 母の再婚相手の娘で、義姉となるアグネスは、王子の花嫁候補の筆頭でもあった。
 だが、再婚相手が急死。しかも、婚家の財政が苦しい事が判明して事態は急変。レベッカは、エルヴィラを何としてでも王子の花嫁とすべく、手段を選ばずにエルヴィラを美しくすべく施術を施していくが……

 この映画、「シンデレラ」を継母と、その2人の娘の視点から描くものになる。
 これまで、シンデレラから見た、意地悪な継母と我儘姉妹を、彼女らにも切迫した事情と、恋する乙女の純情がある、とし、姉妹の姉の方を主人公に、物語を再構築していくのだ。
 だが、美しいアグネスに対し、エルヴィラは、鷲鼻で太め……この鷲鼻を、鼻骨を砕いて形を整える、に始まり、痛くておぞましい肉体改造がエルヴィラに行われていく。そのひとつのクライマックスが、つけまつげを瞼に縫い付けるシーンで、これはもうドン引きの描写――そして、そうして外観を整える半面で、エルヴィラがそれまで持っていた“夢見る少女”の純情さが削られて行くのだ。
 この、“美しさ”を求めた結果の“惨状”を描く、と言う点で、本作は「サブスタンス」とも類似する肉体変容のボディホラーとなって行く。

 その一方で、本作はあくまで「シンデレラ」。エルヴィラの義姉のアグネスが、下働きの“シンデレラ(=灰かぶり)”となる経緯も描かれ、“魔法”――と言うか、あれは亡き父の怨念だろう――の力で舞踏会に出る、と言う展開も同じ。本作は、それを王子を”とられた”エルヴィラの視点で描いて行く。

 視点としては面白く、人体改造の痛さに、様々な描写もエグく、観客を嫌な気持ちにさせる悪趣味さとしては申し分ない。
 物足りないのは、そんな映像ほどには物語に深さと衝撃を感じなかった事で、ここは、エルヴィラの精神の変容に、女性を、まるで”商品”のように扱う前時代の価値観と重ね合わせて描けば、もっとドラマとテーマに重みを出せたように思うのだが……
 確かに、「シンデレラ」変奏曲としては、異色の存在感を見せてはいるが、それだけに残念さもある映画だった。
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