これは、「ビーキーパー」のデビッド・エアー監督&ジェイソン・ステイサム主演のふたりが再び送り出すアクション・サスペンス。
原作は、チャック・ディクソンの小説「レヴォン・ケイド」シリーズで、今回、脚本は、シルヴェスター・スタローンも共同で執筆している。
イギリス軍特殊部隊員のレヴォン・ケイドは、従軍中に妻が自殺、軍務を退き荒んだ生活を送っていた所を、ジョー・ガルシアと言う男に救われ、以来、彼の会社の建設現場で現場監督として働いている。
だが、ある日、ジョーの娘で大学生のジェニーが失踪――警察は当てにならず、レヴォンは恩人であるジョーの為ならと、封印していた特殊部隊のスキルを活かして独自に調査を始めるが……
この映画、ちょっと期待していたものと違うと言うか、バランスが悪いと言うか――これに比べると、前作「ビーキーパー」は、復讐譚として筋運びが簡単だった……敵は判明しており、下っ端から始まってどんどん大きくなる敵を倒して行って、最後、ラスボスを倒して終わり。
それに対し、今回は、復讐ではなく、調査して奪還と言うもので、確かに軍事作戦っぽくもあり、僅かな手がかりから消えた娘を追う、と言う展開は面白くなる要素を多分に持っていると思う。だが、その反面、片っ端からブチのめして行けばいい、と言う訳には行かないし、時間のかかる調査に、攫われた娘のタイムリミット――96時間を過ぎると生存の可能性が下がる、と言う余計な知識を映画ファンは持っている――を思って、どうにももどかしさを感じてしまうのだ。
あと、この映画には、スタローンの「ランボー:ラスト・ブラッド」のやり直し、と言う意味もあるように思うのだが……それにしても、今回攫われるジェニーの性格は極端だ。買った男の顔を食いちぎり、両手を拘束された状態で、走るクルマの中から逃げ出してしまう、と言う獰猛ぶりで、助けがなくとも帰って来るのでは、と言う勢いなのだ。
これなら、ジェニーは無事に戻って来てしまい、今度は嗅ぎ回っていたレヴォンの娘が攫われる、とした方がよかったようにも思った。
本作でも、レヴォンを演じるステイサムの無双っぷりは描かれているし、デヴィッド・エアーならではのリアリズムやマニアをニヤリとさせるネタもあって楽しめるは楽しめる。然しながら、紆余曲折する物語に、最後の敵が呆気なく倒されてしまう展開、(続編を意図したのかもしれないが)敵側の自制による終結など、ひっかかると言うか、物足りない箇所も多く、素直に楽しめなかった、と言うのが正直な所。原作は、シリーズものなので、まだまだ続きがあるのだろうし、デヴィッド・エアー監督もまだまだステイサムで映画を作りたい節は感じるのだが、この出来では続編は難しいのではないだろうか?
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