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2025年12月30日10:13

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「ゲッベルス ヒトラーをプロデュースした男」感想

 これは、ナチス・ドイツ政権において、宣伝大臣としてプロパガンダを主導し国民を煽動、“フェイクニュースの祖”とされるゲッベルスの活動を、アーカイブ映像やホロコースト生存者へのインタビュー、再現ドラマを交えて描くもの。
 監督は、TVドラマなどで活躍して来たヨアヒム・A・ラング。「パリよ、永遠に」のロベルト・シュタットローバー、「モニタリング」のフリッツ・カールらが出演。

 1933年〜1945年のナチス・ドイツ政権において、プロパガンダを主導する宣伝大臣として、国民を扇動してきたヨーゼフ・ゲッベルス。
 当初は博士号を持つ学者として、平和を唱えていたが、ヒトラーからは激しく批判され、信頼を失う。愛人との関係も断ち切られたゲッベルスは、ヒトラーが望む反ユダヤ映画の製作、大衆を扇動する演説、綿密に計画された戦勝パレードを次々と企画、国民の熱狂とヒトラーからの信頼を再び勝ち取る。
 だが、戦況が不利に傾き、絶望的になっていく中、ゲッベルスはヒトラーとともに第三帝国のイメージを後世に残す為のプロパガンダを最後に仕掛けて……

 本作は、再現ドラマを中心に置き、当時の記録映像、プロパガンダ映画、説明的字幕で入れる数値や証言など、これでもかとばかりに資料を駆使して独裁政治と、それを支えるプロパガンダの恐ろしさを訴える――謂わば、日本でも8月に多く観られるTVの「戦争を振り返る」特集番組のような内容なのだが、ドイツ人ならば、こうした学びは学生時代から繰り返し受けて来た筈で、その上で、敢えて映画で見せよう、と言うのだから、これは強烈なものがある。
 また、ヒトラーを巡るナチスの最高幹部の権勢争い……と言うか、ヒトラーの寵愛を受ける為のつばぜり合いは、観ていてもバカらしくなるほどのくだらなさで、殆どブラックジョークの域……だが、それが、権力者を巡る人間関係として、よくある事だ、と思い知った時には、人間と、特に政治の愚かさには気分も悪くなる。

 興味深く、示唆される部分も多い映画だが、ここまでやるなら、プロパガンダに嬉々として乗っかっていく民衆の姿を批判的に映して、現在のフェイクニュースに踊らさせる人々と呼応させて欲しかったように思う。
 あと、惜しいのは、ドラマ部分が安っぽく、それこそTVの「再現ドラマ」の域を出ない事――特に、ゲッベルス役のロベルト・シュタットローバーが、ゲッベルス本人にまるで似ておらず、記録映像からドラマパートに切り替わった時の違和感が半端なかった……ここは、似通った印象の俳優を起用して欲しかった所だ。
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