これは、ロックバンドを結成した5人の少女が音楽を通じて成長していく姿を描いた、東映アニメーション製作のオリジナルTVアニメを再編集した劇場版後編。
監督は、「ラブライブ!サンシャイン!! The School Idol Movie Over the Rainbow」の酒井和男。
ロックバンド「トゲナシトゲアリ」を結成した5人。仁菜は故郷と家族、桃香は脱退したバンド「ダイヤモンドダスト」と向き合い、過去を克服すべく一歩を踏み出す――そんな2人に触発され、漸くまとまりを見せた5人に、芸能事務所から声がかかる。
そうして、プロとして進み始めた「トゲナシトゲアリ」だが、仁菜はやはり、大人社会の論理に馴染めず、「正しい」を貫く為に、事務所を辞め、インディーズバンドとして生きていくことを決意する……
この後編だが、主人公が勢いで突っ走る展開が読めなかった前編に対し、5人組バンドメンバーの誰かと絡む展開によって、“暴走”は抑えられ、物語としても、これまで語られなかった過去に触れ、広げていた風呂敷を畳みにかかる内容のせいもあって、勢いが失われた感があり、よくある“女の子がわきゃわきゃやってる”アニメになってしまった感は否めない。
それでもまぁ、仁菜の面倒臭さは相変わらずであり、バンドメンバーから「正論モンスター」と言われてしまうなど、「間違ってない」のを通すのだが、その真っ直ぐさは、青春映画のヒロインとしてはまだよいとしても、後半に至り“お仕事映画”となって来ると、さすがに痛い……
モーションキャプチャーを多用する3D・CGアニメで描くステージ演奏シーンは、アニメならではの実写ではあり得ないアングルからのショットやダイナミックな視点移動もあってなかなか見せる。これまで描かれたアイドルものと異なり、バンドの場合、キャラクターそれぞれに楽器も違えば、それによるアクションの差異もあって、見せ場を作れるのもいい――だが、気になったのは、音響の作り込みか、あるいは女性ボーカル故の甲高い声のせいか、歌詞がほとんど聴き取れず、音楽映画としての、歌(つまり歌詞)とドラマの相乗効果を感じる事が出来なかった事……まぁ、これは自分の年老いた耳のせいかもしれないのだけど、音楽映画としての盛り上がりや感動を削られた感があって、物足りなく思えた。
最後に、本作は劇場版として完全新作で作り直す企画があると言う……その際には、より聴き取りやすい音響設計にすると共に出来れば歌詞を字幕でつけてくれないものか、と思ったり……
ログインしてコメントを確認・投稿する