mixiユーザー(id:124952)

2025年11月10日21:49

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「占領都市」感想

 これは、第二次世界大戦中、ナチス・ドイツに占領されたオランダの首都アムステルダムの忌まわしい記憶を辿るドキュメンタリー。
 監督は「それでも夜は明ける」のスティーブ・マックイーン。原作は、監督の妻で、歴史家のビアンカ・スティグターの2019年の著書「Atlas of an Occupied City (Amsterdam 1940-1945)」。

 オランダの首都アムステルダム。運河が流れる“水の都”としても知られる風光明媚なこの街は、第二次世界大戦中の1940年5月から5年間、ナチス・ドイツの占領下に置かれた。
 その間、人々は人権や言論の自由を奪われ、ユダヤ人を中心に多くの犠牲者を出した。あのアンネ・フランクのように強制収容所へ移送された者は10万7千人。うち、生き延びたのは5千人と言う。
 この映画は、単なる知識や情報としてではなく、場所をして語らしめ、当時の記憶を蘇らせるものだ。アーカイブ映像やインタビューは敢えて使わず、ただ、事実を伝える言葉と場所を以てその惨劇を語っていく。
 子供たちの声が響く賑やかな公園、美しいレンガ造りの家……。それらもみな、忌まわしい虐殺の記憶を持っているのだ……

 これはナチス・ドイツ占領下のアムステルダムと、コロナ禍のアムステルダムを重ねて描くもの。
 コロナ対策の外出制限で閑散とし、集会を開いた者が警察に詰問されている様子は、戦時中の、異常さと緊張感と判り易く重なるし、そして、訴えかけて来るものがある――戦争。感染症。そして、政治によって、日常はあっと言う間に失われてしまうのだ、と……
 そして、記憶からは薄れても、後に歴史になる事実、それを伝える言葉と共に、都市と風景もまた、それを記録して行くのだ。

 こうした取り組みの有意性は理解出来るし、コロナ禍のアムステルダムを、人が消えたからこその美しさで捉えた映像は価値あるものと思う。
 だが、途中10分の休憩を挟んで前後編それぞれ2時間の4時間11分はさすがに長い。
 物語性はなく、美しい風景に重なる惨劇を伝える言葉も重く、考え込まされる要素も多くて、さすがにこれは疲れた。
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