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2025年07月23日23:59

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「ハルビン」感想

 これは、伊藤博文暗殺事件を韓国側視点で描く歴史サスペンス。
 監督は「KCIA 南山の部長たち」のウ・ミンホ。主演は、「極限境界線 救出までの18日間」のヒョンビン、伊藤博文役にはリリー・フランキー。

 1908年、咸鏡北道で参謀中将アン・ジュングン(安重根)率いる大韓義軍は、日本軍との戦闘で勝利を収める。だが、アン・ジュングンは万国公法に従い、捕虜の日本陸軍少佐・森辰雄らを解放。これにより大韓義軍ではアン・ジュングンに対する疑いとともに亀裂が生じ始める。
 翌1909年、アン・ジュングンは名誉と信頼を回復すべく、ロシアとの交渉のためハルビンへと向かう日本の韓国総監である伊藤博文暗殺を企む。一方、日本軍は、この計画を察知、アン・ジュングンへの復讐を誓う森少佐らは、ハルビンへ向かう大韓義軍の暗殺部隊を追って……

 本作は、歴史もの、と言うよりも、中国の大平原を舞台にした、まるで西部劇のような追う者と追われる者の活劇と見た方がよさそうだ。そうして観ると、これはノワールフィルムとして手堅い作りであり、特撮ではなく、長期のロケを敢行した美しく雄大な風景を贅沢に背景に使った、スタイリッシュな絵作りをしているのも目立つ。だが、ノワールフィルムを意識し過ぎたせいか、画面は暗く、誰が誰やら判り難いのは難点だと思う。
 また、時代考証や、軍事的描写など、リアリティについてはツッコミ所が満載だし、細かい事を言うようだが、あの時代にあの長髪はないだろう……少なくとも、ああした現代的な髪型はアン・ジュングンひとりとし、その存在を浮かび上がらせるようにする、とかだったら判るのだが……
 また、最後のハルビン駅での暗殺は「警備は厳重だ」、「決して近づけない」、「爆弾で混乱を起こして……」と言う序盤のあれは何だったのだ、と思ってしまう展開で、ここはもう一工夫欲しかった所……ロシア軍の警備兵も、人混みから抜け出して銃を構えるアン・ジュングンを前にに棒立ちだったから、あれはないだろう、と。

 主演のヒョンビンは、「愛の不時着」でファンも多いとは言うが、あまり印象的ではなかった――そもそも、誰が誰やら判然としなかったりするシーンも少なくないので。
 また、伊藤博文を演じたリリー・フランキーは、さすがの存在感を見せていた。だが、その他のキャストはほぼ韓国人で、日本語台詞の不自然さが目立っていた……ここは、森辰雄少佐ら主要キャストは日本人俳優にして欲しかったように思う。

 伊藤博文暗殺事件を取り上げた事で「反日映画」とされて敬遠される事も多い本作だが、それを韓国側から見るとどうなるか、を知るだけでも本作を観る価値はあると思う。
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