これは、世界最古の歴史と格式を持つパリ・オペラ座のバレエ養成校に入学した黒人少女の物語。
出演はルイ・ガレルとヴァレリア・ブルーニ・テデスキの養女オウミ・ブルーニ・ガレル、「ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人」のマイウェン。
ネネは、パリ郊外の団地に暮らす労働者階級の12歳の黒人少女。彼女のダンスには、人を惹きつける“華”があった。
10歳の時にバレエを知り、独学で学んだ彼女は、腕試しに受けたパリ・オペラ座バレエ養成校の入学試験に合格。熱心にレッスンに励むネネは、才能を開花させていく。
だが、オペラ座の最高位“エトワール”だった校長のマリアンヌは伝統を守ることに固執し、ネネを“バレエは白人のもの”と邪険に扱う。更に、ネネを羨み、妬む同級生たちの嫌がらせも始まる――そんな中、マリアンヌの隠された秘密が明らかになって……
この映画、「みにくいアヒルの子」を現代的にアップデートするのではないか、と予想……童話のように最後に純白の”白鳥”ではなく、多様性の時代らしく、「白いだけが美しいではない」と、ヒロインが“黒鳥”としてはばたくのだろう、と――実際、映画はその予想通りではあったのだが、映画はあちこちの作りが雑で、ちょっと残念な仕上がりとなっていた。
ヒロインのネネを演じるオウミ・ブルーニ・ガレルは確かに、身体能力が高く、リズム感にも優れるのだが、如何せん、バレエの基本が出来てない――せっかく、オペラ座の協力が得られているのだから、プロのチェックを入れて姿勢や基本の所作など“らしく見える”ように指導する、或いはバレエシーンでスタントダブルを使うなど、やりようはあったように思えるのだが……
そんなネネに対する反発や嫌がらせ……先日観た「パリの小さなオーケストラ」でも描かれた非白人や、労働者階級に向けられるそれらの描写もいささかステレオタイプで、これはむしろ、製作者側の方に、そうした差別感情をどこか容認しているのではないかと思わせる。
そして、この映画、マイウェン演じる養成校校長が、白人でないが故に苦しんだ事、その想いを誰もが認められる時代となった現代においてどう伝えて行くか、そして、そんな時代でも守らなければならないものは何か、と言う事が語るべきテーマなのでは、と思うが、それを描くべき終盤の展開が駆け足となり、語られるべきテーマは飛ばされて、最後のネネの舞台に説得力を持たせる事も、そして、感動的に描く事も出来なかったのは勿体ない、と思った。
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