mixiユーザー(id:124952)

2024年09月02日22:57

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「掟」感想

 これは、2024年の東京都知事選に出馬した石丸伸二の安芸高田市長時代の市議会との対立をモチーフにした劇団TRASHMASTERSの同題の舞台劇を映画化した政治エンターテイメント。
 劇団TRASHMASTERS主宰・中津留章仁が自ら監督。出演は、TRASHMASTERSの森下庸之、劇団民藝の小杉勇二ほか。

 広島県東雲市で起きた汚職事件により市長が辞任。市長選挙に立候補しているのが元副市長だけで、無選挙で次の市長が決まると知った高村誠也は、東京の銀行を退職し市長選に出馬した。高村は見事当選、住みやすい街を目指し、政治腐敗の払拭と財政再建を図る。
 しかし、議会中に市議会議員のひとりが居眠りしたことをSNSに投稿したことをきっかけに議会側との対立が激化。議会は、保守系の民自党所属議員を中心に反市長の会派を起こし、市長の持ち出す改革案にことごとく反対をして……

 これは、東京都知事選挙に、突如参入して得票数2位となって注目された石丸伸二の政治活動を描く映画で、自分的には、石丸伸二の言動にどうにも胡散臭いものを感じていたので、その実態を知りたいと言うか、化けの皮を剥いでいるのでは、と期待して鑑賞したのだが……この映画を観ると、むしろ石丸伸二の側に理があると見えてしまう、ちょっと困ったものになっている。
 そう思わせるのは、市長に対立する議会の程度の低さ……まぁ、地方自治体の議会については、これまでも問題視する声が多かったが、この映画が描く議会の様子は、むしろ国会における自民党議員の振舞いをカリカチュアライズしたものになっているのではないだろうか?議員定数13人の小さな議会とした事で、会派により多数派工作や、執行部との対立などの図式は判り易くなり、“政治”と言うものが手に取るように判る。これは政治劇として特筆すべき面白さだ。
 そして、石丸伸二と言えば有名な「恥を知れ、恥を」を含む答弁も、どのように発せられたのかが判るし、最後はノンフィクションとなって現実に着地させるのも含め、見事な作りと言える。
 
 情と言うものに欠け、原理原則を押し通す、石丸伸二をモデルとした高村市長の振舞いも、理解を超える部分はあるのだが、それ以上なのは、自治体の未来や、市民の利益よりも、党利と己のメンツを重く見て、我を通す事しか頭にない議員たちの姿は、理解を超え、最早憤りしか覚えない――これが、この国の政治の在り方だとするならば、これはもう絶望しかないし、この現状を変える為なら、多少の強引さも必要だ、と思ってしまう。

 石丸伸二と言う人物に感じた様々な違和感……それがこうした経緯から生まれたものだ、とするならば、確かに納得してしまう部分もなくはない。
 怪物を生み出す、と言う事は、それを生む環境にも理由がある、と言う事をあらためて思い知った感じだ。
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