これは、「アシスタント」のキティ・グリーン監督と主演ジュリア・ガーナーが再タッグを組んで送り出す新作。
共演は、「グレイマン」のジェシカ・ヘンウィック。
オーストラリアを旅行中のカナダ人女性、ハンナとリブは持ち金を使い果たし、ワーキングホリデー制度を利用して旅費を稼ごうとする。
斡旋されたのは、都会から遠く離れた砂漠の中の古いパブ“ロイヤルホテル”で住み込みで働く事になる。
そこでは、飲んだくれの店長や、粗野な客たちが起こすパワハラやセクハラ、女性差別が待ち受けていた。楽観的なリブは気にせずに店に溶け込んでいくが、真面目なハンナは孤立し、精神的に追い込まれて……
物語の舞台となるロイヤルホテルは、2016年にドキュメンタリー映画「HotelCoolgardie」で取り上げられたオーストラリア西部に実在する店がモデルで、作中のエピソードもこれを下敷きにしていると言う。
映画宣伝では本作を「スリラー」としているが、そうした要素はあまり感じられず、女性が受ける様々なハラスメントを描いたものとなっている。
ロイヤルホテルで2人を待ち受けるのは、Wi-Fiも使えず、バスも週に2本しかなく、助けを求める事も逃げ出す事も容易ではない場所でふりかかる理不尽……条件は事前に知らされていたものと異なり、店長は給料の支払いを渋り、店の客は卑猥な言動や、肉体関係の強要を迫る……そんな状況でも「郷に入れば郷に従え」とリブは受け入れてしまうのだけど、生真面目なハンナにはそれが出来ず、どんどん追い込まれて行く……と言う展開となる。
確かに、ちょっと前の事を考えれば、女性が様々な搾取を受けているのは当たり前で、むしろ女性の方もそれを売りものにしていた部分さえあった。
女性の権利の主張が、如何に難しい事であったのかを、時代に取り残されたようなパブを舞台に描く事で示す言う、本作の狙いは理解出来る。
疑問を覚えたのは、最終盤で、男たちに合わせ�狆綣蠅�やっている”リブが、急に寝返って、ハンナに寄り添い、最後はまるでガールズフッド的な終わりを迎えるのだ。
ここはむしろ、女性の権利を主張し、正義を貫いたハンナが、親友であるリブにさえ見放され、最後にひとりツケを払わされる、と言うものにすべきではなかったのではないだろうか?
そうする事で、本作は宣伝文句通りの「スリラー」になるように思うのだが……
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