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2024年01月26日23:19

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木曜は……

 木曜日、午前半休にし、仕事の前に、チネチッタで、
 「傷物語 こよみヴァンプ」。

 これは、西尾維新による小説を劇場アニメ化した「傷物語」三部作を再構成した総集編。
 本作の監督も、「傷物語」三部作の尾石達也が引き続き務めている。

 高校3年を目前とした春休み。阿良々木暦は、深夜の地下鉄構内で、血溜まりの中で斃れる美女と遭遇……彼女は自らを、鉄血にして熱血にして冷血の吸血鬼、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードと名乗り、吸血鬼ハンターとの戦いで四肢を失い死に瀕していた彼女は、暦に助けを求める――だが、それは命を血を差し出せ、と言うもので、暦は、恐怖と混乱の末、それでもキスショットを見殺しにする事が出来ず、彼女に血を吸わせ――目が覚めたとき、暦はキスショットの眷属となっていた。そして、キスショットの失われた四肢を取り戻す為、吸血鬼ハンターとの戦いに臨む事になり……

 「傷物語」三部作は、公開時に観賞していたものの、インパクトの強かった1作目を除き、頭からすっぽり抜け落ちており、まるで初めて観るように楽しむ事が出来た。
 三部作・200分以上の内容を、再編集して144分に切り詰めた事により、冗長に感じた映画は引き締まり、テーマも尖鋭化し、個人的には好印象――映画は、編集で生まれ変わるものだ、と言う事を再認識した。

 この傷物語シリーズ、主要登場人物以外の人物が一切登場しない、と言う、特徴的と言うか、いささか病的なものとなっている――つまり、モブがいない――あらためて観る本作は、それは、省略の美学と言うよりも、舞台劇、むしろ、朗読劇に近い性質を持つように感じた。
 印象的な背景美術と合せ、この世界観は一見の価値ありだろう。
 そして、その内容としては、吸血鬼ものとなるのだが、主人公が吸血鬼の眷属で、バトルシーンでも敵方が人間となる、この種の映画としては異色と言えるもの。
 そうした物語故、モンスターものにある、モンスターを退治してめでたしめでたし、とは行かない。
 本作の最後で、暦が決断するのは、誰も死なない、”共存して暮す”と言うこと――誰かを犠牲として、幸せを得るのではなく、お互いが不幸を……”痛み”を共有しながら共存する、と言う終劇は、対立と分断が目立つ現在において、あらためて考えさせられるものだと思う。


 仕事の後、電車で帰宅途中に、まだ全然早い時間である事に気づく。
 これは、シネマジャック&ベティで上映中の、
 「駒田蒸留所へ、ようこそ」
 に間に合うな、と。

 そんな訳で、もう1本、
 「駒田蒸留所へ、ようこそ」。

 これは、「SHIROBAKO」の、P.A.WORKSによる、働く人々描くアニメ「お仕事シリーズ」の第五弾。
 本作は、最近人気のジャパニーズ・クラフトウイスキーを題材に、崖っぷち蒸留所の再起に奮闘する若き女性社長と、彼女を取材する記者の物語となっている。

 クラフトウイスキー“わかば”をヒットさせた、酒造業界で話題のブレンダー駒田琉生は、実家の「駒田蒸留所」の若社長。経営難の蒸留所の立て直しとともに、バラバラになった家族と、災害の影響で製造できなくなった、家族の絆とも呼べるウイスキー「KOMA(独楽)」の復活を目指していた。
 そんなある日、ネットニュース「ニュースバリュージャパン」の記者・�盒狂�太郎が取材にやってくる。自分のやりたい仕事に出会えず職を転々としてきた彼は、今の仕事にも身が入らず、辞めることを考えていたが……

 お仕事シリーズは、綿密な取材に基づく、仕事のリアルを見せるのが特徴となっている。また、本作では、取材の際の現物写真を、イラスト変換して背景美術に使っており、まるで実写のような細部のリアルさがある――まぁ、ここまでやるならいっそ実写でやれば、と思うくらい……
 震災で、設備と原酒を失い、更に、先代社長も亡くした蒸留所のどん底からの復活を、かつて製造していたウィスキーの再生に重ねて描き、それに、今時の、何事にも熱くなれない若者が”仕事”に目覚めるのを重ねる、と言う展開も、これは悪くないものだと思う。
 ただ、残念なのは、光太郎の言動や行動にリアリティがなく、また、彼の背景が描かれないので、どうにも感情移入がし難い事。
 また、ウイスキー製造そのものへの踏み込みが今いち浅く、お仕事映画としては、いささか食い足りない(実は、映画に登場した蒸留所のひとつのモデルでもある白州蒸留所は幾度も見学したことがある)のと、物語としても、終盤、「KOMA」の復活よりも家族の再生に重きが置かれ、お仕事、と言うよりも家族の映画になってしまっているのも気になる所。
 勿論、それは、それで感動的であり、最後にはしっかり泣かされてしまったのだけど……
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