これは、「GODZILLA ゴジラ」のギャレス・エドワーズ監督による、オリジナルSF巨編。
主演は、「TENET テネット」のジョン・デヴィッド・ワシントン。共演は、本作は映画初出演となる新星、マデリン・ユナ・ヴォイルズ、「エターナルズ」のジェンマ・チャン、そして渡辺謙。
人類とAIが共存する近未来。2075年に、ロサンゼルスを核攻撃したAIを、西側社会は排除したが、ニュー・アジアでは未だ共存が続いていた。
AIを人類の脅威とする西側によるニュー・アジアへの攻撃が続く中、退役軍人のジョシュアに、敵地に侵入して、AIの新兵器を破壊するミッションへの参加が要請される。気乗りしないジョシュアだが、かつて、ニュー・アジアへ潜入工作を行った際に出会って恋に落ちた女性、マヤの救出を条件に出されて参加を了解する。
そして、敵地へ侵入したジョシュアが見た“新兵器”とは、7歳くらいの少女の姿をしたアンドロイドだった……
この映画、「ターミネーター」のような、“人類の脅威であるAIとの戦い”を描くと見せながら、鮮やかにそれを反転させていく――AIは人類を滅ぼそうなどとは思っておらず、ただ、己より優れた、または己と違うものを恐れる、人類の狭量さこそが、無駄な争いを生んでいる、と言うのだ。
これは正に現代社会の写し絵、思いっ切りグロテスクにカリアチュアライズされたものだと言っていいのではないだろうか?
その意味では、この映画、アメリカ映画の癖に、アメリカ人にはいささか居心地の悪いものになっているように思う――なにしろ、映画の中で最終的に敗北するのは、排外的な軍事国家のアメリカ(西側、と言っているが、しっかり「US ARMY」となっている)であり、勝利するのは、自由で多様性のあるニュー・アジア……これも描写としては苦笑するしかないのは、ニュー・アジアは、強権的な独裁国家である中国や、西側を模倣するだけの日本や韓国ではなく、これまで虐げられていたベトナムやチベットをイメージするものとなっているのだから……
そんな内容だから、この映画、アメリカ国内でも資金が集められず、かと言って中国と共同製作する訳にも行かずで、予算規模としては1億ドル程度と、この種の映画としては低予算となってしまったのだと言う。
だが、そうまでしてこの映画が描く、新たな世界観は一見の価値あり、と思う。
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