金曜、休暇を取って、かかりつけのクリニックで定期検診。
いつもの胃カメラ検査だが、今回、麻酔を打とうとした際に、静脈を探し当てられず、両腕で幾度かトライしたものの上手く行かず、最後、腰に打つも、血管に入らず筋肉注射になってしまい、結果として、麻酔なしでの検査となった……勘弁してくれ、元々、嘔吐反射の強い方なので、カメラ挿入されてからはずっと吐き気と戦う羽目に……
血管が探せないので、血液検査も今日はパス、月曜、再度通院して結果を聞くと共に血液検査を受ける事になった。
やれやれ。
午後、映画を4本。まず、Kinoシネマみなとみらいで、
◇「君を想い、バスに乗る」
これは、「ターナー、光に愛を求めて」のティモシー・スポール主演によるヒューマンドラマ。
スコットランド最北の地で、最愛の妻を亡くした90歳のトム。
妻と交わしたある約束を胸に、ふたりの人生が始まった、英国最南端の“ランズエンド”を目指し、トムはローカルバスでイギリス縦断の旅に出るが……
これは亡き妻との約束を果たすために、幸せだった日々の思い出を胸に老人が旅に出るロードムービー。
ふたりが青春を過ごしたランズエンドへの道程の中で、現在から過去へ時間を遡って行く回想シーンに重ね、「多様化しつつある現在のイギリス」を見せ、更に、その旅を老人と縁遠いSNSで展開させる意外な展開。
惜しいのは、それを見た老主人公がどう変化していくのかが見えない所だろうか?
◇「彼女たちの革命前夜」
これは、世界三大ミスコンテストの一つ、ミス・ワールドで起きた前代未聞の騒動を映画化したもの。
出演は「パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊」のキーラ・ナイトレイ、「女神の見えざる手」のググ・バサ=ロー、「ワイルド・ローズ」のジェシー・バックリー。
1970年のロンドン。出産後、子育てをしながら大学に復学したサリーは、女性解放運動の活動家ジョーと出会う。
彼女が所属する団体では、ミス・ワールド阻止の計画を進めていたが……
この映画だが、どうにもキレ味がよくない。
女性解放運動の対象として、ミスコンを掲げ、「まるで牛の競りではないか」と、そのルッキズムを批判するのだが……そもそも、映画と言う媒体が、女性の美を武器にしている部分がある訳だし、主演のキーラ・ナイトレイにしたって、その美貌を武器にここまで来たのだろう。
そして、1970年のミス・ワールドは、南アフリカが黒人女性を代表として送り出し、グレナダの黒人女性ジェニファーがミス・ワールドに輝いた――彼女らにして見れば、黒人差別と闘い、権利を得る為の場でもあったのだ。
だからこそ、ミスコン妨害が緊張感とは無縁の弛緩した場面として演出され、むしろ、その後、女子トイレでの、サリーとジェニファーの対話がクライマックスとなる。
「(ミスコン出場者の)あなたを非難しているんじゃない」と、言うサリーに、
「(黒人の自分が)あなたと同じ権利を得てから話を聞く」と答えるジェニファー。
女性の美を売り物にする事についてのルッキズム批判と、逆に、それを利用する女性の対峙――未だに続く問題として、この映画は観るべきと思う。
◇「エリザベス」
これは、今年、生誕96年そして在位70周年を迎える英国君主エリザベス2世の人生と旅路を、女王への深い愛と畏敬の念をもって、ポップにカラフルに描いた初の長編ドキュメンタリー映画。
2021年9月に急逝した「ノッティングヒルの恋人」などで知られるロジャー・ミッシェル監督の遺作となる。
英国王室のプロパガンダでもある本作だが、注目すべきは戦後70余年の英国史であろうか。
実在する“フィクション”としての女王像に新たな発見はないが、ここまでの映像が残っている事には感心する。
その後、T−JOY横浜で、
◇「神は見返りを求める」
これは、「空白」の吉田恵輔監督がムロツヨシと岸井ゆきのを主演に描く人間ドラマ。
イベント会社に勤める田母神は、合コンで底辺YouTuberゆりちゃんと出会う。見返りを求めずに彼女の手伝いをする田母神だったが、やがて、ゆりちゃんが人気となって行くのをきっかけに二人の関係は変化して行き……
この物語、承認欲求や嫉妬、そして「可愛さ余って憎さ100倍」と言うゆがんだといった誰もが持つ見苦しい面を浮き彫りにする。これを、「ラブストーリー」だとするのは、さすが吉田恵輔、と言う所か……
ゆりちゃんを演じる岸井ゆきのは、目と口が大きくただでさえ表情が大きく出るタイプで、可愛い時と、悪い顔の時の振り幅が凄い。田母神を演じるムロツヨシのお人好しっぷりもいい。
ポップな見た目ほど楽しい映画ではなく、どちらかと言えば“痛い”映画だが、見応えはある。面白い。
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