木曜は、仕事の後、TOHOシネマズ海老名のレイトショーで、
「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」。
これは、1979年に放送に放送され、現在では“ファースト”と呼ばれるTVアニメ「機動戦士ガンダム」の第15話:「ククルス・ドアンの島」を映画化したもの。
監督は「機動戦士ガンダム THE ORIGINE」シリーズの安彦良和。アムロ・レイの声は、オリジナル同様、古谷徹が務めている。
宇宙世紀0080。地球連邦軍は、ジオン地球進攻軍本拠地のオデッサを攻略すべく大反抗作戦を準備。この作戦に参加の為、ベルファストへ向かうホワイトベースのブライト艦長に、カナリア諸島の無人島に潜むジオン軍残置諜者掃討任務が下る。
渋々、残置諜者の捜索に出動したアムロとカイが見たのは、島にいるはずのない子供たち。更に、突如出現したモビルスーツ・ザクに遭遇したアムロはガンダムで応戦するものの、行方不明となってしまい……
この「ククルス・ドアンの島」のエピソードは、所謂、“作画崩壊”に見舞われ、総集編である劇場版三部作からも省かれてしまったもの。しかし、安彦良和は、この回に並々ならぬ思い入れがあったようで、今回のリメイクとなった模様。
アニメ作品としては、「THE ORIGINE」の延長と言えるもので、安彦良和の絵がアニメで動き、モビルスーツ戦はアニメタッチの3D−CGとなっているが、そこに違和感がないのはさすが。
安彦良和らしく“絵が芝居する”のは美点とするとしても、これは、何だかもどかしく感じる……確かに、これが安彦良和のやりたかった事なのだろう、とは思うが、今となっては、正直「古い」と感じるのだ……まぁ、その辺りまで含め、安彦良和の「ガンダム」集大成であり、これを以て打ち止めとする、と言う位置づけなのだろうが……
物語はTVシリーズ1話を、約2時間に膨らませたもの。勿論、それだけでは間が持たないので、結果として、オデッサ戦におけるマ・クベの南極条約違反の核ミサイル使用のエピソードも盛り込み、”黒い三連星”を思わせるモビルスーツ部隊も登場するなど、オデッサ戦を挟む数話のエピソードを合せてまとめたような感じ。
ただ、そこまで新エピソードを加えても冗長な感はあり、これなら、ランバ・ラルとの戦いの後、マチルダの死からオデッサ戦の集結までに、ククルス・ドアンのエピソードを付け足したようなものにして欲しかったようにも思った。
また、物語自体――これは「THE ORIGINE」にも言える事だが――台詞に魅力がなく、「ガンダム」らしくない。やはり、「ガンダム」と言えば、“トミノ節”を聞きたいのだ。
それに、全体的に作り込みの甘さを感じる……ドアンの過去、それから島に配置されたミサイルへの加工など、書き込み不足や、腑に落ちない点多数……更に、「THE ORIGINE」の延長で、リアリティを増した作品世界や、スレッガーが早くも登場している事にも違和感を覚えたりするかもしれない。
あと、声優は、アムロとカイを除いて、ほぼ、新キャスト……さすがに40年以上経つので仕方ないのだが、やはり耳慣れない……
全体のイメージとしては、絵の方は文句なしとしても、ちょっと古臭いアニメ。悪くはないし、楽しめる部分もある……モビルスーツ戦には迫力もあるし、なにしろアムロが乗る「ガンダム」が動くのは、劇場版三部作以来の事なのだ。劇場鑑賞する価値は確かにあるだろう。それでも、これをやるなら、”ファースト”の劇場三部作の音声をそのままに、絵だけを「ORIGINE」クオリティでリメイクして欲しかった、と言うのが正直なところだ。
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