土曜、午前中にかかりつけのクリニックに行き、その後、水槽の水替え。
午後、kinoシネマみなとみらいで、
「ガンパウダー・ミルクシェイク」。
これは2013年公開された「オオカミは嘘をつく」が、クエンティン・タランティーノから「本年度最高傑作」と絶賛されたイスラエル出身のナヴォット・パプシャド監督の新作。
古今東西、数多のアクションを観て、映画オタクを自認するパプシャド監督による、シスター・ハードボイルド・アクションだ。
主役のサムを演じるのは、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズのカレン・ギラン。そして、彼女を支えるベテラン女優陣は、レナ・ヘディ、アンジェラ・バセット、カーラ・グギノ、ミシェル・ヨーと言う豪華なものだが、これはパプシャド監督による第一希望がそのまま通った結果だと言う。
サム(=サマンサ)は、街を陰で支配する“ファーム”(会社)と呼ばれる暗殺組織の腕利きの殺し屋だ。だが、あるミッションで対立するロシアン・マフィアの大物の息子を殺してしまい、更に、“ファーム”の金を持ち出した男の8才の娘、エミリーを助けたサムは、“落とし前”として“ファーム”からロシアン・マフィアに売られてしまう。孤立無援の状況で、殺到する殺し屋たちを次々と血祭りに上げて行くサムは、その修羅場の中で、15年間音信不通だった母親のスカーレットに救われる。
サムは、スカーレットと共に“図書館”に駆け込む――そこは殺し屋御用達の武器庫で、かつての母の同志で、名うての殺し屋でもある3人の女性図書館員が運営する聖域だった……
この映画、最近、増えて来た女性アクションもの。
男性をひとまとめにして悪党、と置く対立構造は如何なものか、と思わなくもないけれど、この映画のジェンダースタンスは意外な程に健全だ。
“図書館”の本は、様々なアイテムの格納庫だったりするのだけど、彼女らの武器となるのは、ヴァージニア・ウルフをはじめとしたフェミニスト作家たちの本、と言うのも洒落が効いている。
パプシャド監督は映画オタクらしく、ジャッキー・チェンからジョン・ウー、タランティーノなど様々な映画からのオマージュとなるアクション、シークェンス、設定にも注目だ。サムの殺し屋スタイルなど、伊藤俊也の「女囚さそり」だと言うのだから……
また、オマージュだけでなく、両手の麻痺したサムがエミリーを膝の上に乗せて、”二人羽織”で運転する迫真のカーアクションなどはアイデアものだ。
こうしたノリと内容だと、エドガー・ライト監督作品を思い出してしまうのだけど、パプシャド監督、エドガー・ライト監督のように音楽の使い方が上手くないのが残念だし、アクションのキレ、ユーモアのセンスも及ばない。その一方で、CGを多用することなく、実写のアクションと俳優をしっかり見せる演出は、往年のアクション映画を思わせるものがある――ここまで行くとあとは善し悪しではなく、好みの問題だろうか?
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